close

2020-10-19

【ボクシング】京口紘人、好調スパーでV3へ「完勝」宣言

「ボクシングのルールを知らない人にもわかりやすい試合を見せたい」と京口

11月3日、大阪市のインテックス大阪で3度目の防衛戦に臨むWBAスーパー世界ライトフライ級チャンピオン京口紘人(ワタナベ)が、19日に練習を公開。同級10位タノンサック・シムシー(タイ)との無敗対決に「完勝したい」と王者のプライドを示した。

 3階級上を圧倒

 公開したスパーリングは、近くワタナベジムからデビューする近畿大出身の吉田京太郎と2ラウンド。タノンサック戦に向け、これまでもスパーを重ねてきた吉田に、京口は角度のいい右アッパー、左ボディを打ち込む。終了間際には高速連打を浴びせ、コーナーに釘付けにした。


「見えない」右で圧倒

 「ジャブはノーモーションで見えないし、左ボディと右アッパー、右ストレートの上下は、どちらがくるのかわからない。これを打ち分けられると、相手は対応できないのでは」と吉田。3階級上のバンタム級の吉田に「同じ階級の選手はかわいそう」と言わせる強さを見せた。

  すでにスパーは80ラウンド近く消化。体重も「いま練習終わりで5キロ切るぐらい。いつもどおりです」と、京口は順調な調整をうかがわせた。コロナ禍によるブランクは1年1ヵ月に及ぶが、この間も「やれることはやってきた。ボクサーは練習することが仕事」と、影響はないことを強調した。

 YouTubeチャンネルでライブ中継

  V2戦後の昨年11月から始めたユーチューバーとしての活動も軌道に乗り、この日は登録者数10万人超えを記念する銀のプレートを贈呈された京口。今度の試合もYouTubeの京口紘人チャンネルでライブ中継される。カメラ5台、各コーナーにはマイクを設置、実況・解説もありと、民放局並みの態勢が敷かれるという。


10万人超えの銀プレートに笑顔

  YouTubeでの世界戦中継は国内初の試みとなるが、加えてコロナの渦中に日本で行われる最初の男子世界タイトルマッチという点にも、京口は意義を感じている。ワタナベジムによると、スポーツ庁からも「オリンピック、パラリンピックに向けて、一つの成功例を作ってもらいたい」と期待を受けているというタイトルマッチ。「大きな注目を集めることは光栄。自分に求められているものを実感しています」

 挑戦者は隔離状態で練習

  挑戦者タノンサックは7日に来日後、契約するグリーンツダジム後援者のマンションに隔離されている。同ジムの本石昌也会長によると、部屋にエアロバイクやサンドバッグ、トレーニング器具を持ち込み練習。すでにタイでは100ラウンドのスパーリングをこなし、隔離から解放されるまでの2週間は、疲れを取る機会にもなったという。

  14戦全勝(12KO)のレコードを誇る20歳の挑戦者に対し、同じく14戦全勝(9KO)の王者・京口は「若くて無敗。勢いがある」とタノンサックを評価しながらも「キャリアの濃さには差がある。試合ではその差を見せたい」ときっぱり。「相手がどうというよりも、自分自身を高めたい」とレベルアップを期す。同時に、YouTubeで得た新たなファンにも「わかりやすい内容の試合をしたい。チャンスが来ればKOも」と完勝を宣言した。

取材◎藤木邦昭
タグ:

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事