コンディショニングとは「目的を達成するために必要と考えられる、あらゆる要素をより良い状態に整えること」を意味する。選手それぞれが持つ個性をパフォーマンス発揮へとつなげるための情報を得て、しっかりと活用しよう。
※本記事はベースボール・クリニック2018年8月号掲載「野球のコンディショニング科学~知的ベースボールプレーヤーへの道~」の内容を再編集したものです。

文◎笠原政志(国際武道大学体育学部准教授)

第12回「暑熱環境下でのリカバリー“アイスバス(冷水浴)”」

アイスバスによる生体反応

 暑熱環境の中で、新チームづくりに向けたハードワークをする時期となりました。連日のハードワークを可能とし、実になるものとするには、試合や練習当日の疲れをリセットするためのリカバリーが大切になります。

 今回はリカバリーの中でも、暑熱環境下で活用することができるアイスバス(冷水浴)の方法についてご紹介します。

 最近ではさまざまな競技において、疲労回復を目的としたアイスバスが活用されています。まずは、アイスバスを実施することによる生体反応について整理してみたいと思います。

画像1: アイスバスによる生体反応

 図Aを見てください。大きく分けて4つの生体反応があり、それによって矢印に示しているような効果を得ることができます。
 これらの効果は疲労回復にポジティブに作用してくれるので、「エネルギー消費を抑制し、気持ちもリフレッシュしたい」という場合でもアイスバスは有効だということになります。

 なお、アイスバスは主に「筋肉の張りや痛みを緩和したい」場合に、より有効になります。
 ではなぜ、アイスバスに入ると筋肉のダメージを抑制することができるのでしょうか。これについては、図BにMohammedらの模式図を改変したものを掲載したのでご参照ください。

画像2: アイスバスによる生体反応

効果を高めるアイスバスの実施方法

画像: 効果を高めるアイスバスの実施方法

 具体的なアイスバスのやり方を図Cに示しています。

 理想的な温度は10〜20℃です。銭湯にある水風呂がだいたい17〜18℃であることを考えると、感覚としてはそれぐらいだと思っていいでしょう。

 時間については10〜15分継続して浸かりましょう。どうしても10〜15分も耐えることができなければ途中で出ても構いません。ただし、合計で10〜15分になるように、何回かに分けて入ることをお勧めします。

 アイスバスを実施するタイミングとしては、特に試合や練習後において筋肉に強い張りや痛みがある場合に速やかに実施するようにしてください。理想としては運動の30分後までに実施することが望ましいです。

 アイスバスを実施する上で注意しなければならない点もあります。

 例えば2部練習があり、練習間の休憩時間が1時間以内の場合にアイスバスを実施すると、身体冷却が起こり、体が動きにくくなってしまう可能性があります。
 アイスバス後に運動をする場合には、少なくとも1時間以上の空き時間があり、再度ウオーミングアップができるという条件を忘れないでください。

 また、皮膚に傷口があるときには、アイスバスに複数人が入ると感染等の恐れがあるため実施しないでください。

 実施する上では、アイスバス専用の装置もありますが、簡易浴槽やポリバケツ、子ども用のビニールプール、大型コンテナなども活用することができます。また、部活動では学校プールの腰洗い場でも実施可能です。各現場の環境や予算にあわせて準備してみてください。

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