プロ・アマ合同の日本野球規則委員会により発表された2020年度の改正規則16項目について3回にわたり解説する。第1回に取り上げるのは、5.09(b)(7)走者が打球に触れた場合の規則の改正。これに伴い改正された関連規則3項目についても解説する。

写真◎ベースボール・マガジン社

解説/日本野球規則委員会

(1)5.09(b)(7)の改正

5.09(b)(7) 前段を次のように改める。(赤字部を削除、下線部を中段から移動)

 走者が、内野手(投手を含む)に触れていないか、または内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールに、フェア地域で触れた場合。(5.06(c)(6)、6.01(a)(11)参照)

 この改正は、「走者が、フェアボールにフェア地域で触れた場合」は原則として、すべてアウトであることを明確にしたものです。打球が内野手を通過したかどうかは問わないことになり、これまでのわれわれの規則解釈を変更するものです。
 ただし、これには例外があり、それは、5.06(c)(6)ボールデッドの項および6.01(a)(11)走者の妨害の項に記載されている、以下の2つのケースです。

・いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合。
・1人の内野手(投手を除く)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールに、すぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がないと審判員が判断した場合。

 この2つのケースは、いずれも守備側のミスした打球(ボールに触れる、トンネルなど)まで避けることを走者に課すことはできないとの考え方から定められたものです。

 以下、この改正による取り扱いについて具体例を挙げて説明します。

[例1]
 ノーアウト満塁、内野手は前進守備態勢を取った。打者が三遊間を真っ二つに割る打球を放ち、このレフト前に抜けそうな打球に三遊間で走者が当たってしまった。
【裁定】走者は、内野手(投手を含む)に触れておらず、また内野手の股間、側方を通過したのでもない打球にフェア地域で触れたことによりアウトが宣告される。打者走者は一塁へ、一塁走者は押し出されて二塁が与えられ、三塁走者は三塁に戻されて、1アウト満塁で試合が再開される。

[例2]
 走者一塁、一塁手は走者の前で守備していた。打者は一塁手の横にゴロを打ち、一塁手はそれに飛びついたが捕れず、その直後、走者がこの打球に当たった。
【裁定】この場合は、一塁手のミスとは考えられない。2つの例外には当たらないので、打球に触れたという理由で走者にはアウトが宣告され、打者には一塁が与えられる。
※内野手の側方とは、野手が一歩も動くことなく処理できる範囲のものを言います。

[例3]
 走者一・二塁で、一塁手および三塁手はバントに備えて前進守備。このとき走者はダブルスチールをした。打者はバントと見せかけて打って、打球は前進守備の三塁手を超える高いゴロ(チョッパー)となった。打球は二塁走者に当たった。
 2つのケース:(a)ショートは打球に対して守備しようとしていた。(b)ショートは打球を守備する位置にいなかった。
【裁定】(a)(b)いずれのケースも、例外規則に該当しないフェアの打球にフェア地域で触れたので、二塁走者にはアウトが宣告される。

[例4]
 走者一・二塁、三塁手はバントに備えて、ベースパスより少し前に位置していた。走者はダブルスチール。打者はバントと見せかけて打ったが、三塁手へのゴロとなった。これを三塁手がトンネルし、打球は三塁手のすぐ後方で二塁走者に当たった。
 2つのケース:(a)ショートは打球に対して守備しようとしていた。(b)ショートは守備する位置にいなかった。
【裁定】(a)のケースでは、二塁走者はアウト。打球は三塁手の股間を通過したが、他の野手が守備する機会があった。(b)のケースでは、インプレイの状態に置かれる。打球は三塁手の股間を通過し、他の野手も守備する機会がなかった。


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