日本フライ級4位のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は28日、岡山・サントピア岡山総社で同級15位の湊義生(JM・加古川)と8回戦を行い、1回2分45秒TKO勝ちした。阿久井は昨年10月、同じ会場で世界ランカーのジェイセバー・アブシード(フィリピン)に最終回TKOで敗れて以来、半年ぶりの再起戦を飾った。

写真上=湊(右)と打ち合う阿久井

先制のダウンで明暗分かれる

この日で9個目のKO勝ち(13勝2敗1分)、うち8つ目の初回KOをマークした阿久井だが、内容は綱渡りだった。先に効かせたのは阿久井。ゴングとともに果敢に打ち合いを挑んできた昨年の全日本新人王・湊に、右クロスを決めてよろめかせる。即決型のパンチャーらしく、一気に詰めに入った阿久井だが、ここで逆に湊の左フックをもらって尻もち。会場を埋めた地元ファンから悲鳴が上がった。

「右には気をつけていたが、左フックがあんなに強いとは……」と振り返った阿久井。湊は4ヵ月前の全日本新人王決勝では、切れ味鋭い右で再三ダウンを奪い、技能賞に輝いていた。それからいきなり迎えた、上位ランカー阿久井との冒険カード。しかし最初のダウンシーンで自分を見失ったのは、倒れた阿久井ではなく、倒した湊だった。

接近戦での連打に勝機を見出していたという湊。だが、「左フックでダウンを取れるとは思ってなくて、焦ってしまった」。思わぬチャンスに湊が勝負を急いだのは、阿久井にとって好都合。攻めが雑になった湊に、阿久井の強烈な左フック、右ストレートがうなりをあげる。それでも打ち合いを挑んでくる湊を豪快に2度倒し、最後も右でレフェリーストップを呼び込んだ。

「強いですね、あの子は。噂どおりのいい選手でしたが、焦っていたのは分かりました」。地元で再起を果たした阿久井は、そう言って胸をなでおろし、「チャンスがあれば……」と控えめに日本タイトル挑戦を希望した。王座に君臨するのは、2年前の対決で屈した中谷潤人(M.T)。あの試合で立場を逆転されただけに、さらに後輩の湊に抜かれるわけにはいかなかった。

斬るか、斬られるかーー。阿久井がまだまだフライ級で目が離せない存在であることは間違いない。

荒木は完勝でユース卒業

画像: タイミングよく左を決める荒木(左)

タイミングよく左を決める荒木(左)

セミファイナルでは日本ユース・バンタム級チャンピオンの荒木哲(斉藤)が、髙田篤志(J中津)に8回判定勝ちで初防衛に成功した。

採点は80対72が一人に79対73が二人と、大差がついた。荒木が絶妙の間合いから放つ左ジャブと、ボディに突き刺す右ストレートで距離を支配。無敗のサウスポー髙田も反応の良さを示したが、荒木の安定感を切り崩せなかった。

完勝だったにも関わらず、荒木は「自分のリズムでやれなかった。もっと盛り上げたかったです」と内容には物足りなさそう。24歳になったことでユース王座は卒業し、もう一つ上のベルトを目指す。昨年、後楽園ホールの観客もうならせた攻防技術を、さらに上位レベルで発揮する日も近そうだ。

画像: 岡山のボクシングを引っ張る阿久井(右)と荒木

岡山のボクシングを引っ張る阿久井(右)と荒木

取材◉藤木邦昭

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