21日(日本時間22日)、アメリカ・カリフォルニア州インディオのファンタジースプリングスカジノで行われたダブルヘッダーで、WBA世界スーパーフェザー級チャンピオンのアンドリュー・カンシオ(アメリカ)が前王者のアルベルト・マチャド(プエルトリコ)を3回1分1秒KOに下し、初防衛に成功。WBO世界ライトフライ級タイトルマッチは、チャンピオンのアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)が同級14位の挑戦者エルウィン・ソト(メキシコ)に最終回23秒KOで敗れる波乱の結末となった。

上写真=3回、王者カンシオは、ボディブローでマチャドを倒した

 今年2月、大番狂わせの4回KOで無敗の長身サウスポー王者マチャドを屠り、世界タイトルに就いたカンシオにとって、この直接再戦は、その勝利がフロックではなかったことを証明する戦い。初回にダウンを喫して奮起した前戦と違い、今回のカンシオはスタートから敢然と圧力をかけた。体格で大きく上回るマチャドは得意の左アッパーから右フックで迎え撃つが、カンシオはひるまない。2回に左目上が切れて血が滴っても、「目には入らなかったし、動揺はなかった」という現王者は攻めの手を強めていく。

前王者マチャド(左)も、ベルト奪還に燃えていたが……

 4ヵ月前、ボディを効かされて3度のダウンを喫したのは「減量苦からの体調不良だった」としたマチャドは、今回も2回にカンシオのボディ攻撃で動きが止まった。そして3回、そんな前王者をカンシオが左ボディブローでノックダウン。立ち上がってファイティングポーズをとったマチャドに、レフェリーがテンカウントを数え上げた。

「上を打ちにいったら、ボディが空いていたのでそこを打ったんだ。2度勝ったんだから、もう認めてもらえるだろう。とても気分がいいよ」と話したカンシオは27戦21勝(16KO)4敗2分。「まだ戦えたのに」と肩を落としたマチャドは、23戦21勝(17KO)2敗。

統一戦も期待されるカンシオは、普段はフルタイムでガス管工として働く2児の父

 現在、スーパーフェザー級にはWBAスーパー王者ジャーボンタ・デービス(アメリカ)、WBC王者ミゲール・ベルチェルト(メキシコ)、5月に伊藤雅雪(横浜光)からWBO王座を奪ったジャメル・ヘリング(アメリカ)らがおり、カンシオは統一戦を熱望する。また、暫定王者に準ずるWBAゴールド王座を持つジョセフ・ディアス(アメリカ)やWBA1位のレネ・アルバラード(ニカラグア)ら、同じゴールデンボーイ・プロモーション傘下の選手たちもチャンスを待っており、カンシオには引く手あまた。それでも、娘と息子を男手一つで育てながらガス管工としてフルタイムで働くチャンピオンは、「月曜日からはまた仕事に戻らなくちゃ」と言って大観衆の喝采を浴びた。

画像: 3回、挑戦者ソトが王者アコスタからダウンを奪った

3回、挑戦者ソトが王者アコスタからダウンを奪った

 この日は、プエルトリコ人ボクサーたちの厄日だったかもしれない。マチャド敗戦の前に、WBOライトフライ級王座4度目の防衛戦に臨んだアコスタがまさかの王座陥落となった。

 1年前は6回戦選手、世界レベルの経験は皆無のままこの舞台に臨んだ22歳のソトが、スタートから速い出入りで仕掛ける。王者アコスタは鋭く正確な左フックで迎え撃ったが、3回にソトの左フック、右を浴びてダウン。さらに4回も挑戦者の右クロスに脅かされてしまう。

その後、チャンピオンは重そうな上下コンビネーションでポイントを取り戻しにかかった。終盤に入り、8回以上のラウンドを戦った経験がないソトの疲労は明らかで、アコスタが順調に勝利に向かっているように見えたのだ。

しかし、そんな中で迎えた最終回。ソトをロープに詰めて猛然と連打していたアコスタを、ソトの左フックが捉えた。体を泳がせるプエルトリカン王者にソトが追撃すると、レフェリーが割って入り試合終了を宣言した。

早いストップに不満をぶちまけるアコスタ。番狂わせで王座を失った

「正直なところ負けていると思っていたけど、神のおかげでパンチを当てることができた」と喜んだソトは、16戦15勝(11KO)1敗。ストップはかなり早い印象ではあったが、アコスタに被弾が多かったこともたしか。「パンチは効いたがストップをかけられるほどのものじゃなかった。まして最終回だったのに」と不服を口にした。戦績は22戦20勝(20KO)2敗。2017年5月、田中恒成(畑中)が保持していたWBOライトフライ級王座に挑戦したとき以来の黒星だった。

文_宮田有理子 Text by Yuriko Miyata
Photos By Tom Hogan-Hoganphotos/Golden Boy

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