13日(日本時間14日)、アメリカ・カリフォルニア州カーソンのディグニティヘルス・スポーツパーク(旧スタブハブセンター)で行われたWBC世界スーパーバンタム級王座統一戦12回戦で、同暫定チャンピオンの亀田和毅(協栄)が正規チャンピオンのレイ・バルガス(メキシコ)に0-3の判定で敗れた。採点はジャッジ三者ともに110対117の大差がついた。

写真上=バルガスの長い右ストレートが亀田の顔面をヒット

亀田「すべてやりきった」
バルガス「賢く戦った」

画像: バルガスのフットワークと左に亀田は接近を阻まれ続けた

バルガスのフットワークと左に亀田は接近を阻まれ続けた

 亀田の“雪辱”は叶わなかった。15歳でメキシコに武者修行に出た亀田家の末弟にとって、バルガスはアマチュアのリングで敗れた忘れ難き相手。バルガスが負傷休養中に設けられた暫定王座を昨年11月に手に入れ、チャンピオン同士の統一戦として実現した“再戦”で、亀田はまたも長身テクニシャンの巧さに阻まれることになった。

 前日の計量時、28歳の誕生日を祝う生バンド登場のサプライズに大感激し、肌つやからも好調さがうかがえた亀田は、開始から積極的にプレスをかけてバルガスに迫る。初回終盤には右クロスをヒット。上々のスタートを切った。しかし、これが5度目の防衛戦でもあるバルガスの対応は早かった。正面から入ってくる亀田を右アッパー、ストレートで迎え撃つ。4回に亀田がピッチを上げて右クロス、左フックをヒットしたあと、バルガスはバランスを崩してスリップダウン。前戦で序盤にキャンバスを這わされたシーンを思い起こさせる不安定さがここでも感じられたが、チャンピオンはそこからますます危険回避を徹底し、長いジャブとバックステップで距離をつくり、コンビネーションで暫定チャンピオンを遠ざけた。

「ファイトをしたい」とファイトウィークの間、バルガスを挑発してきた亀田の願いはかなわない。距離を詰めてもクリンチされ、攻撃がつながらない亀田は、「イラついてはいなかった」というものの、最終回序盤、ロープ際で主審のブレイクもおかまいなしにパンチを出し、減点1。そのダメージもあるのか足元が少し怪しい正規チャンピオンを最後まで追い続けた亀田だが、フルラウンド終了のゴングとともに見せた表情は、手ごたえのなさを物語っていた。

「メキシカン(バルガス)よりも、もっと“メキシカン”だったと思う」と、前に出るスタイルで観客の声援を浴びた亀田は、「気持ちを尽くして、いい試合にできたと思う。そういう試合にしたのは誰だったのかは、ファンがわかってくれていると思います。ジャッジの採点はリスペクトします。バルガスは巧かったです。バックしてクリンチとかで次を当てさせてくれない。この相手に対してやろうと思ったことはやりました。すべてやり切ったと思います」と話した。しばらく休み、陣営と相談しながら世界返り咲きのチャンスを再び探るという。戦績は39戦36勝(20KO)3敗。

画像: 王座統一とともに5度目の防衛を果たしたバルガスは、WBA・IBF王者ローマンとの統一戦を望んだ

王座統一とともに5度目の防衛を果たしたバルガスは、WBA・IBF王者ローマンとの統一戦を望んだ

 策略家としても知られる名匠ナチョ・ベリスタインの薫陶を受けるバルガスは、2017年2月に世界王座に就いた試合を含め世界戦でのKOはなし。今回もリスクを排し、亀田の正直な攻めをいなし続けてファンのブーイングを浴びても、「たくさんパンチを出して賢く戦った。これは精緻なボクシングスタイルだ。おそらく日本からカメダのファンがたくさん来ていたから、ブーイングが出たんだろう」と、ベルトを守って満足げだ。戦績は34戦全勝(22KO)。観戦に訪れていたWBA・IBF同級チャンピオンのダニー・ローマン(アメリカ)との統一戦を希望している。バルガスはゴールデンボーイ、ローマンはマッチルームと、ともにDAZNと契約する興行主に属しており、実現の可能性は高い。その前にローマンは、両団体が義務付ける指名試合(WBA2位・ムロジョン・アフマダリエフ・ウズベキスタン、IBF1位・岩佐亮佑・セレス)を抱え、近々に次戦が発表されるはずだ。

デラ・ホーヤは22戦目で初黒星

 

 スーパーバンタム級は多くの日本人選手が世界の頂点に絡む位置におり、目が離せない階級だ。この日のセミファイナルでも注目カードが行われ、WBA8位のロニー・リオス(アメリカ)がWBA3位のディエゴ・デラ・ホーヤ(メキシコ)を6回1分17秒KOで破った。

 史上初の世界6階級制覇者オスカー・デラ・ホーヤのいとこにあたる無敗の24歳、ディエゴに期待がかかった一戦だった。一方のリオスは2年前の世界初挑戦で、この日と同じ会場でレイ・バルガスに敗れている。昨年3月に手痛いKO負けを喫した後はブランクを作り、ゴールデンボーイとの契約も失った。そんな苦境からの復活劇だった。

 リング中央で強打を交換する中、経験で上回るリオスはボディ攻撃でデラ・ホーヤを削っていく。そして6回に左ボディから右アッパーでホープをノックダウン。直下に落ちたデラ・ホーヤは立ち上がったが、レフェリーに戦意を示すことができず、ストップとなった(カリフォルニア州ルールでKOとなる)。「信じられない気持ちだ。何度負けても諦めなければやり直せると証明できた」と感慨に浸るリオスは34戦31勝(15KO)3敗。デラ・ホーヤは22戦21勝(10KO)1敗。

文◎宮田有理子
写真◎Tom Hogan/Golden Boy

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