今週はニューヨークの人気者、マーカス・ブラウン(WBA暫定世界ライトヘビー級チャンピオン)がブルックリンのバークレイズセンターで古豪ジャン・パスカル(カナダ)と対戦するなど注目カードはあるのだが、都合により『ウィークエンド・プレビュー』はお休み。日本選手がらみのカードのみ展望したい。WBO世界スーパーフライ級2位、江藤光喜(白井・具志堅スポーツ)が2日(日本時間3日)、WBO世界王座への挑戦権をかけて3位ジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)と再戦する。場所は無効試合に終わった前戦と同じ、フロリダ州キシミーだ。

写真上=再びフロリダ州キシミーに乗り込んで戦う江藤光喜

画像: 前回の試合はバッティングにより無効試合に。今度こそ江藤(左)は決着をつけられるか

前回の試合はバッティングにより無効試合に。今度こそ江藤(左)は決着をつけられるか

 まさしく、因縁のリマッチである。5月25日、WBO世界スーパーフェザー級戦の前座として行われたこの両者の対戦は初回2分39秒で終わった。当初、発表された結果は江藤のTKO勝ち。痛烈な右を浴びてダウンしたと見えたシントロンは立ち上がっても、リングの中をふらつくばかり。レフェリーのアンドリュー・グレンはそのまま試合を止め、江藤の手を上げた。

 ところが、シントロン側は「パンチの前に頭が当たっている」と猛抗議。コミッションはビデオで検証した末に、不可抗力のバッティングによるダウンと認め、江藤のTKO勝ちは取り消され、無効試合に変更となった。

 江藤はかつてタイでコンパヤック・ポープラムック(本名スリヤン・サトーン)をKOに破って暫定ながらもWBA世界スーパーフライ級タイトルを手にしたこともある。そのパワーパンチには定評があるが、反面、むらっけのある戦いや粗さを解消しきれないでいる。22歳の若さでプロ転向する以前に2度も五輪のプエルトリコ代表になっているシントロン(現在24歳)のテンポの速い攻防は、今回も厳しくマークしなければならない。軽量級のスター候補でもあるプエルトリカンとしても、勝負ははっきりさせたいところだろう。万全のコンディションに仕上げてくるはずだ。

 ただ、パンチではなかったとしても、前戦で負ったシントロンのダメージは相当なものだった。3ヵ月もたたないうちに再戦というのは正しい判断なのか。江藤のパンチが序盤に決まるようなら、今度は正当な打撃によるノックアウトの可能性も十分にある。心理と肉体に傷を負った対戦者の『怯え』を狙え。それも勝負の鉄則である。

文◎宮崎正博
写真◎Damon Gonzalez

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