11月2日(日本時間3日)、アメリカ・カリフォルニア州カーソンのディグニティヘルススポーツセンターで行われた141ポンド契約10回戦で、元日本・WBOアジアパシフィック・スーパーライト級チャンピオンの岡田博喜(角海老宝石)が元・北京五輪代表のハビエル・モリナ(アメリカ)に初回1分5秒KO負けを喫した(同州ルールではストップはKOとなる)。また、この日のメインではWBC世界スーパーフェザー級チャンピオンのミゲール・ベルチェルト(メキシコ)が同級4位のジェイソン・ソーサ(アメリカ)を4回2分56秒KOで下し、6度目の防衛に成功している。

上写真=いきなり右を合わされた岡田は、連打をフォローされてフロアに沈みゆく

 元日本チャンピオン岡田のアメリカ第3戦は、まさにあっという間に終わってしまった。

 元・北京五輪ライトウェルター級代表でアウトボクサータイプのモリナと、左リードで様子を窺い合っていたさなか。モリナが最初に合わせてきた右オーバーハンドが岡田の顔を捉えた。ヒザが折れた岡田を見てモリナが右、左フック、右とフォロー。ダウンを奪った。

「効いたという感覚はぜんぜんなかった」という岡田は試合再開に応じたが、ほどなくモリナの左右フックの強振でコーナーに後退。右フックで右面を叩かれてストンとフロアに落下すると、レフェリーが試合をストップした。

「オカダにスキを見つけたので強いパンチを打ち込んだ」というモリナは、この勝利で23戦21勝(9KO)2敗となった。五輪代表から2009年にプロデビューし、2016年から2年ほどのブランクを作ったが昨年再スタート。再起して4連勝のうち、今回が初めてのKO勝ちで、初回KOはプロ4戦目以来だった。強打者、という印象は皆無の細身のアウトボクサーである。同じ29歳で背格好が似ている岡田は、計量後むかい合った時に思ったという。「思ったほどデカくない。カラダつきも、パンチはなさそうだと思いました。実際、パンチはやっぱりないと思いました。でも……」。まさかの1発目の強振を浴びてしまった。

 昨年トップランク社と年間3試合3年の契約を結んだ岡田にとって、これがアメリカ3戦目。前戦で元WBO世界ライト級王者レイモンド・ベルトラン(メキシコ)に敗れ、再起戦でもあった。背水の覚悟で、1ヵ月のロサンゼルス合宿を含め、普段はしないという対戦者研究・対策も重ねて臨んだ戦いだった。

「どこも何も痛くなくて。効いたという感覚も全然なくて。止めるのは早いだろうと思ったんですけれど、石原さん(雄太トレーナー)は“止められても仕方がない”と。悔しい、というよりも、今後のことが……。これから考えます。前向きに」。

 日本、アジアで無敵を誇り、本場に乗り込んでその厳しさとともに醍醐味をかみしめる29歳。

 目下の戦績は21戦19勝(13KO)2敗。

圧勝し、喜色満面の王者ベルチェルトは、統一戦への気勢を上げた

 WBC世界スーパーフェザー級チャンピオン、ミゲール・ベルチェルトの強さは圧倒的だった。凄まじいタフネスで応戦する元WBA王者ソーサを2度倒し、連打の渦に巻き取って、コーナーに棄権を決意させた。

 最初から得意の長いワンツーで自分の距離を確保し、果敢なソーサのアタックを迎え撃つベルチェルトは、2回には右ストレートから左フックをフォローしてダウンを奪った。それから、おびただしい数のパンチがソーサのボディ、顔面を捉えた。が、ソーサは決して諦めないが、4回には左まぶたをカットし、出血。ベルチェルトの猛烈な回転の強打にさらされ、2度目のダウン。さらに頑張り続ける様子を見て、ソーサ陣営がギブアップの意思を示した。

 ベルチェルトは2017年に同じメキシコの激闘王フランシスコ・バルガスを11回に詰め切ってWBC王座を獲得し、今回が6度目の防衛だった。初防衛戦では元同王者だった三浦隆司(帝拳)を破っている。戦績は38戦37勝(33KO)1敗。現場にはIBF同級チャンピオン、テビン・ファーマー(アメリカ)が訪れていたが、ベルチェルト自身は同じメキシコ人の前WBOフェザー級王者オスカル・バルデスを名指ししている。スーパーフェザー級転向テストマッチを11月30日に控えており、「その結果を待ってからだけど、彼がもし私のベルトに関心があるなら、受けてたつ」と、余裕のコメントを残した。ソーサは31戦23勝(16KO)4敗4分。2016年6月にハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)に勝ってWBA王座を獲得した後、翌4月にワシル・ロマチェンコのWBO王座に挑戦し失敗。ユリオルキス・ガンボア(キューバ)との元王者対決にも敗れて2連敗していたが、昨夏再起して3連勝中だった。

取材・文_宮田有理子 Text by Yuriko Miyata
Photos by Mikey Williams/TOP RANK

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