7日、さいたまスーパーアリーナで行われたWBC世界バンタム級王座統一戦12回戦は、正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)が、暫定王者・井上拓真(大橋)をポイントゲットの巧さを見せて120対107、117対110、115対112の3―0判定勝利で2度目の防衛に成功。拓真はプロ14戦目で初の黒星となった。

上写真=ウバーリの左ストレートが拓真のガードを割って侵入

サウスポーのウバーリに対し、拓真は左フックのカウンター、さらに続ける右ストレートの上下打ちを基本ベースに戦った。
特に右ストレートは、これまでにない打ち方と威力で目を惹いた。

拓真の右は、内側に切れ込む打ち方で、これまでにない威力があったのだが、さらに続けるブローに欠いた

だが、ウバーリは距離を縮めての連打、あるいは引きながらカウンターを合わせるなど、ポイントをピックアップする上手さを示し続けた。

拓真がクリーンヒットを奪えば、2発3発と返して、印象を相殺、あるいは上回っていく。惜しむらくは、拓真が受け身に終始し、自ら前に出たり、右強打からつなぐブローを欠いたこと。

4回に、拓真は右をかわされざまに左ストレートを打ち抜かれてダウン。アゴを射抜いた見事な一撃だったが、拓真は立ち上がり、立て直してみせたのは立派だった。

拓真にとってのクライマックスは最終12回。ポイント劣勢で、勝つにはKOしかない状況で、右ショート2発から左フックでウバーリの腰を落とさせる逆転の大チャンス。
だが、ウバーリの回避能力に、あと一撃を加えることはかなわなかった。

本調子ではなかったというウバーリ。しかし、存分に巧さを発揮した 写真_藤木邦昭

勝ったウバーリは、「時差などの影響で、リズムがつくれず60%しか見せられなかった。次はナオヤと戦いたい。そのときは100%を日本のみなさんにお見せしたい」と、尚弥との統一戦を希望した。

悔しい表情の拓真。すでに課題を見つけ、前を向いた 写真_藤木邦昭

プロ初黒星となった拓真は、「もらってはいないし、右も手応えがあった。でも、ポイントにつながっていないのは、ポイントを取る取り方をしなければということ」と、課題を見つけ、早くも前を向いている。

文_本間 暁
写真_菊田義久

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