WBOアジアパシフィック・ミニマム級チャンピオン重岡銀次朗(20歳=ワタナベ)は31日、東京・大田区総合体育館で同級4位レイ・ロリト(29歳=大成)とタイトルマッチ12回戦を行い、5回2分13秒KO勝ちで初防衛に成功した。高校5冠の重岡はプロ転向後、5戦5勝(4KO)。

写真上=右フックで攻める重岡

「効きました……」。控え室に戻ってきた重岡は、疲れ切った顔で言った。KO勝ちにも満足せず「改めてプロは怖いなと思いました」と反省の言葉を続けた。

 4戦目で手にした王座の初防衛戦の相手はこれが40戦目、世界挑戦の経験もあるフィリピンの強打者ロリト。過去最強と覚悟したとおり、重岡はタフな戦いを強いられた。同じサウスポー、ロリトの大きな右に合わせた左フックで初回、早くもなぎ倒してみせたが、立ったロリトの抵抗は厳しかった。右アッパーでボディをえぐられた重岡は、たまらず後退する。

 重岡は2回に右の鼓膜が破れ、さらにロリトの頭を打って左拳も痛めてしまう。3回にはロリトの左クロスでふらり。この苦境を打開したのは、重岡の右リードだ。足を使って距離を取り、ロリトの攻撃をかわしながら右を突いて、ペースを再構築していく。

「自分からワンツーを打っていっても、(ロリトは)効いた素振りも見せなくて……」と、焦りも隠せなかった重岡だが、5回にはロリトの左に合わせて放った左ストレート一発で再び倒し、カウントアウト。このパンチも危険なタイミングではあったが、最後は痛めた拳で決着をつけた。

痛めた左手を冷やしながらインタビューに応える重岡

「(パンチを)もらいすぎ。12ラウンドやっていたら、わからなかった。倒せてよかった」と胸を撫で下ろした重岡。「こんな試合じゃ大きなことは言えないけど、来年は世界を獲ります」と、苦闘を教訓に飛躍を誓った。

文◉藤木邦昭
写真◉菊田義久

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