緊急事態宣言がようやく解除され、この6月から国内のボクシングジムも活動を再開。まだまだ予断を許さない状況だが、ボクサーたちも“日常”を取り戻しつつある。
 長らく続いてきた自粛期間中、トップ選手たちは日々をどう過ごしていたのか──。前号の『世界チャンピオン編』に続き、15日に発売となった『ボクシング・マガジン7月号』では、日本、東洋太平洋、WBOアジアパシフィック王者ら16人にその日々を振り返ってもらった。ここに掲載するのはその抜粋である。

電話取材_加茂佳子、杉園昌之、西村華江、船橋真二郎、本間 暁、宮崎正博
写真_本人提供

ジムの先輩で、元日本&東洋太平洋ウェルター級王者・高山樹延(すよん)さんが、4月に大塚のジム近くに『焼肉冷麺だいじゅ』をオープン。その店で、某選手が作った特大プリンを食す小國。さて、お味は?

元IBF世界スーパーバンタム級チャンピオン
現WBA世界同級4位
小國以載[32歳=角海老宝石]
YUKINORI OGUNI
「最初のクルーズ船の、隔離するだしないだのころって、『隔離は、やりすぎやろ』とかもっと軽く考えとったけど、まさかこんな大事になるなんて、誰も思てへんかったでしょ。軽視したらアカンちゅうことですね。何事も。ボクシングも」。この騒動の中、引退を余儀なくされた選手、ファイトマネーもなく、仕事もままならない状況の“全国の後輩たち”に思いを馳せる。

愛猫ナナちゃんを抱っこする阿久井。いまでこそこんなだが、実は……。媒体によって、登場させるネコちゃんワンちゃんを替える念の入りよう

日本フライ級チャンピオン
ユーリ阿久井政悟[24歳=倉敷守安]
SEIGO “YURI” AKUI
 ジムワークは5月上旬からほぼ通常どおり。特注していた紅白に彩ったウイニングのヘッドギアがようやく手元に届いたが、「着け方、忘れちゃいました(笑)」と頭を搔く。使用するのはまだ先になりそうな状況だから、思い出す猶予はたっぷりある。

大晦日にはWBOアジアパシフィック王座に挑み、衝撃のKO負けを喫したが、この長い自粛期間は久我にとってむしろありがたかったかもしれない

日本スーパーバンタム級チャンピオン
久我勇作[29歳=ワタナベ]
YUSAKU KUGA
 自粛期間は2ヵ月に及んだものの、体型と体重はキープ。体力も落ちていない。5月の大型連休明けからは週に1、2回は限られた人数でジムワークをこなしてきたが、実戦感覚は取り戻すには少し時間がかかる。6月までは対人練習もしておらず、拳がうずく。
「早くスパーがしたいです。試したいことはいくつもあります」

マスクとフェイスシールドを装着した加藤健太トレーナーの持つミットへ、佐川は切れ味鋭い右を打ち込む

日本フェザー級チャンピオン
佐川 遼[26歳=三迫]
RYO SAGAWA
 ふだんは洋菓子メーカーの『コロンバン』に勤める正社員。スーパーなどの店舗を回る営業だが、3月末に外回りが禁止され、オフィスでの事務作業、週1回の3時間出勤、テレワークと勤務形態も変化していった。その分、練習時間は取れたが、対面練習は自粛。それでも試合を想定しなければならないなか、参考にしたのが元東洋太平洋ライト級王者の中谷正義さんのTwitterだった。「スタミナをつけるため、試合感覚でサンドバッグを10ラウンド、12ラウンド打つと書いていたのを見て」実践した。

坂は、黙々とたったひとりのジムワークをこなす

日本スーパーフェザー級チャンピオン
坂 晃典[28歳=仲里]
KOSUKE SAKA
 ずっと、ひとりぼっちのジムワークである。
「会長に練習は絶対にひとりでしろと言われています」。プロにとっては練習は仕事。休むわけにはいかない。けれど、このご時世だから、一般向けにはジムは休止中。誰もいない時間を見計らって行く。ミット打ちもできないし、マスボクシングなど望むべくもない。
「ひたすらサンバッグを打っています」
 あきらめるしかない。あきらめるしかないから、逆に迷いもなくなったという。

趣味にあふれている自室は、井上浩樹にとって、最大のリラックススペース

日本&WBOアジアパシフィック・スーパーライト級チャンピオン
井上浩樹[28歳=大橋]
KOKI INOUE
「めちゃめちゃ元気です。ストレスまったく溜まってないです。逆に快適ですよ!」。普段の3割増しくらいの快活な声。やはりこの男、引きこもり生活には慣れている。「いつもだったら、引きこもってゲームやってたら怒られるところ、なんも言われないので……」と豪快に笑う。さすがである。

オリジナルのマスクを制作した小原

日本ウェルター級チャンピオン
小原佳太[33歳=三迫]
KEITA OBARA
 3月に第1子となる長女が生まれたが、現在は妻と実家に帰し、3ヵ月近く一人暮らしが続く。これも新型コロナから家族を守るため、キャリアの締め括りに集中するため。ロードワーク、対面を避けたジムワーク、フィジカルトレーニングと「(試合が)いつ決まってもいいように」体の維持に努める。4月には自身のYoutubeチャンネルでダイエット企画を配信した。

読書する竹迫を、麻裕夫人が撮影。読んでいる本は、なんだか難しそう

日本&東洋太平洋ミドル級チャンピオン
竹迫司登[28歳=ワールドスポーツ]
KAZUTO TAKESAKO
休みの日くらい、ダラダラしたりはしないのだろうか。素朴な疑問をぶつけてみると、「ダラダラするの、嫌じゃないですか? 苦しくないですか? 気分、暗くなりません?(笑)。それ、すごく嫌なんですよ。時間を無駄にしてる気がするし」と豪打の連続攻撃なのである。

※詳細は『ボクシング・マガジン7月号』に掲載

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