全幅の信頼を寄せる野木丈司トレーナー(60歳)とともに、ふたたび世界最高峰を狙う──。元WBC世界フライ級チャンピオン比嘉大吾(24歳)が30日、リモート会見を行い、世界4階級制覇で現WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(31歳)と同じ、Ambition GYM(東京都渋谷区)に所属することを発表した。

 白井・具志堅スポーツジム(7月末で閉鎖を発表)との契約を3月で打ち切り、新たな所属先を模索していた比嘉は28日、井岡、元WBCフライ級王者・内藤大助さん、東京五輪を目指す堤駿斗(東洋大学)、弟の麗斗(習志野高校)が所属するトラロックエンターテインメントとマネージメント契約を結び、さらにこの日、野木トレーナーとともに新ジム発表にこぎつけた。

野木トレーナーとともに、会見に臨んだ比嘉。時折笑顔ものぞかせて、気持ちの充実ぶりを表した
写真_リモート会見より

「もう1度、野木さんと一緒に本気でやってみたいと思った」。それがなによりのモチベーション。さらに、「ボクシングだけに集中できる環境を」という強い願望があり、それを実現できるということで、マネージメント契約、Ambition GYMを選択したのだという。

 2014年6月のプロデビューから、2018年2月のWBC王座V2戦まで15連続KO勝利。この連続KO記録は、同郷(沖縄)の大先輩、元WBC世界スーパーライト級チャンピオン浜田剛史(帝拳)、牛若丸あきべえ(当時、協栄、現在は渡部あきのり=角海老宝石=東洋太平洋スーパーウェルター級王者)と並ぶ日本タイ記録。しかし、新記録を世界タイトルマッチ3度目の防衛戦で──という偉業は、自らの計量オーバーによる王座剥奪、そして初黒星(9回TKO負け)によって潰えてしまった。

 JBC(日本ボクシングコミッション)のボクサーライセンス無期限停止処分、モチベーション低下等により、「ボクシングから身を退くことも考えた」という比嘉だが、昨年10月に停止処分解除となり今年2月、2018年4月のクリストファー・ロサレス(ニカラグア)敗戦以来、1年10ヵ月ぶりのリング復帰。スーパーバンタム級8回戦でフィリピン・ランカーを6回にストップして再起を飾ったが、3月にジムとの契約を更新せず。比嘉の計量失格の責任を負って、先にジムを離れていた野木トレーナーと練習を重ねてきた。

「この2ヵ月は、合宿のようなハードなメニュー。それをしっかりとこなして、かなり良くなっている。みなさんにお見せしても恥ずかしくないレベル」と野木トレーナーも太鼓判を押す。

 今後はバンタム級で戦っていく予定。同階級には井上尚弥(大橋)という最高峰が君臨するが、「まだ彼と戦う資格はもちろんない。いずれかのタイトルを獲って、初めて対戦のことを言えると思う」と師弟は口をそろえる。それ以前に、2階級アップについて若干のスタイル変更を加えているという。「これまでモデルとしてきたローマン・ゴンサレスがスーパーフライ級で連敗をした。あのつまずきを参考にして、組み立ての中に、より強い1発を加えることに取り組んでいる」(野木トレーナー)

画像: 横浜市内の公園で、朝と午後の2部練習を終えた比嘉。後輩の大湾硫斗とともに、滝のような汗を流していた

横浜市内の公園で、朝と午後の2部練習を終えた比嘉。後輩の大湾硫斗とともに、滝のような汗を流していた

 年内に2戦を行いたい意向で、「9、10月、そして年末」というのが理想。すでに野木トレーナーの住む横浜市内の近所に引っ越しを済ませ、同市内の公園でランニング、フィジカルトレーニング。ジムワークはAmbition GYM竣工までの間、EBISU K'S BOX(東京都渋谷区)を間借りして行っていく。

「野木さんと一緒に、できるだけ早く世界チャンピオンに返り咲きたい」

 ほとばしる熱量で、エネルギッシュに暴れまわる姿を、久しぶりに見られそうだ。

写真_本間 暁

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