新型コロナ感染拡大による規制が緩和され、6月から興行が再開したアメリカのボクシング界。ネバダ州、フロリダ州などに続き、長らく年間興行数がアメリカ50州で最多のカリフォルニア州でも、アスレティック・コミッションが正式なスケジュールを発表。7月24日、26日と続けてライブボクシングが行われる。

上写真=試合に向けて、調整を急ぐカリフォルニアの選手たち

 3月6日の小興行を最後に、あらゆるボクシングイベントが消えていたカリフォルニア州。感染症流行下での格闘技イベント開催に関する法的整備を経て、無観客ながらほぼ4カ月ぶりに興行が復活する。

 まずは7月24日、大手ゴールデンボーイ・プロモーションがインディオのファンタジースプリングスカジノで開催してきた定期興行の再開第1弾。もともと3月28日に予定されていた世界上位ランカー、バージル・オルティス(アメリカ)とサミュエル・バルガス(コロンビア)のウェルター級12回戦をメインに、6試合がセットされ、DAZNでライブ配信される。

 続いて26日に行われるのは、中堅プロモーターのトンプソン・ボクシングによるイベントで、奇しくも開催地はコロナ・シティ。同プロモーションの固定会場のひとつである倉庫街の屋外リングで行われる。こちらも、3月14日に予定していた興行の“仕切り直し”だ。地元密着型のトンプソンが約20年間続けてきた定期興行は、スポンサーシップとチケット販売が主な収入源で、試合映像はこれまでフェイスブック上で無料ライブストリーミングしてきた。しかし観客を動員できない今回、初めて「3・2・1Boxing PPV」として有料化。しばらく続くであろう集客制限の下で中小興行主が収入を生み出し、ビジネスを継続するためのひとつの試みだ。

 興行のスケジュールが決まり、現場も急ピッチで調整を進めている。

 3月中旬にジムの営業が禁止されてから、トレーナー、選手たちはジムワーク、スパーリングが不可能になった。5月下旬に規制が解けてから、個人経営のジムを中心に徐々に営業を再開。トンプソン興行のメインを務めるライト級ホープのマイケル・ダッチオーバー(アメリカ)とセミに登場するスーパーライト級、ルーベン・トーレス(同)の二人が、再びリングに上がれたのは、5月の第3週だったという。WBOスーパーライト級7位のアーノルド・バルボサ(同)の胸を借りながら、週3日のスパーリングで実戦感覚を取り戻している。

「コンディショニングの二つの要素のうち、体力強化の部分はできる限りのことを続けてきたけれど、グローブをつけての実戦練習の部分はできない。スパーを再開した日はやっぱり少し硬かった。でももうすっかり感覚が戻った。7月26日は、どんな状況であっても私たちはボクサーである、という姿を見せたい」、トーレスはそう語る。

 またダッチオーバーは、9月に不運な負傷によるプロ初黒星を喫して以来の再起戦でもあった3月14日の試合が、計量前日になって中止となった経緯がある。「あの時はきつかった。あと1ポンドまで体重を落としていたし。でも、興行が再開したら自分が一番にやるつもりで、地元(テキサス州ミッドランド)には帰らず、調子を落とさないよう心がけてきた。前回の負けのことは振り返らず、今回の試合で、僕が変わらずホープであることを示したいと思っている」。

 二人は7月第2週に2度目のコロナウィルス検査を受けた。練習するプライベートジムは、入口を開放して空気を循環させ、体温計、消毒スプレー、使い捨てマスクを常備。ボクサー以外は全員がマスクを着用している。時間を区切り、ジム内の人数を最小限にする工夫もなされている。ダッチオーバー、トーレスを指導するトレーナーのダニー・サモラは「ちゃんと試合のリングまで到達できるかどうか、なにが起こるかわからない」と慎重だ。

 6月9日にアメリカ最大手トップランク社が、ネバダ州ラスベガスに特設した隔離会場“ザ・バブル”で興行を開催し始めてから、検査で出場予定選手・関係者の感染が発覚するケースは少なからずみられる。ロサンゼルス近郊のジムで、複数名の感染が確認されたという話も聞こえてくる。テキサス州のコミッションは、7月11日にスケジュールしていた興行のキャンセルを7日になって発表した。状況はまだまだ安定しない。

 カリフォルニア州コミッションは、「160」と見込んでいたむこう12カ月の興行数が、コロナ禍により「30」に激減したと発表した。7月24日から、安全を確保しつつボクシング興行を継続していけるかどうか。30興行がさらに下方修正されることがないよう、願うばかりだ。 

トンプソン・ボクシング

「3・2・1 Boxing PPV」

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料金はアメリカ領内、カナダ、ヨーロッパ、アジアでは6.50ドル、ラテンアメリカ、アフリカ、一部アジアで3.50ドル

画像: 初のライブ・ストリーム放送に臨むチーム・トンプソンの精鋭たち

初のライブ・ストリーム放送に臨むチーム・トンプソンの精鋭たち

文◎宮田有理子 Text by Yuriko Miyata

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