※写真上=「ハート・トーク2019」のトークセッションに登壇された俳優兼タレントの渡辺徹さん(中央)と、磯部光章・榊原記念病院院長・東京医科歯科大学名誉教授(左)、代田浩之・順天堂大学大学院循環器内科特任教授(右)
写真◎けんいち編集部

7年前に心筋梗塞を発症。最初は疲れだと思った

 8月10日は“健康ハートの日”。健康ハートの関連イベントが10日は金沢・岐阜で、翌11日にも名古屋・豊橋・京都にて開催されました。10日に先駆けた8日には、東京都内でメディアセミナー「ハート・トーク2019」(日本心臓財団、アステラス・アムジェン・バイオファーマ主催)が開催され、俳優兼タレントの渡辺徹さんがトークセッションに出席し、心筋梗塞の体験を語りました。

 渡辺徹さんはかねてより糖尿病で、2012年には動脈硬化による心筋梗塞でカテーテル手術を受けています。心筋梗塞は心臓(心筋)が酸素不足になり壊死する病気ですが、発症時に胸が締めつめられるというような痛みはなかったそうです。

 最初の自覚症状は、疲れているのかな、というものでした。所属する文学座の地方公演のときのこと。劇団員やスタッフを引き連れて食事に出かけた際、先頭に立って歩きだしたのに、いつのかにか一番後ろを歩いていたそうです。どうしてこんなに自分は歩くのが遅くなったのかな、疲れているのかなというのが、最初に覚えた違和感でした。
 
 その後、旅番組のロケで伊香保温泉に行ったときには、長い石段を上りながらの撮影で、息切れのために、何度もカメラを止めてロケが続けられない状態に。さらに、劇団の稽古場で3階に上がるときに、踊り場ごとに休まないと上がれなくなったそうです。

 妻の榊原郁恵さんが心配するものの、大丈夫だと反発して検査に行くことを拒否。しかし、いよいよ仕事の現場でも顔色が良くないといわれるようになり、これ以上やらせられないと思った郁恵さんが、強制的に公演降板を劇団に申し入れてしまいました。

 渡辺さん本人は疲れているだけだと思い、数日間休んだもののいっこうによくならず、知り合いのクリニックを受診。糖尿病の経験から身体のことをあれこれでいわれるのは嫌だという思いから、検査はしないでほしいと伝えて、点滴だけ受けて帰ったそうです。

 しかし、再診時に医師から総合病院を紹介され、強制的に検査を受けることになり、さらに総合病院から救急車で大学病院に連れて行かれ、そこで心臓の冠動脈3本あるうちの1本が完全に詰まっていることを告げられました。

「胸に痛みはなく、とにかく疲れているだけだと思っていたので、心筋梗塞と言われて、まさかと思いました」「思い当たる節はたくさんあり、食生活は大変乱れていました。お酒や高カロリーのものを好んで食べていましたし、食事の時間が不規則もいいとこでした。タバコはその時点ではやめていましたが、過去には相当なヘビースモーカーでした」(渡辺さん)

心筋梗塞には再発リスクがある。再発予防の取り組みが重要

 順天堂大学の代田医師は、ここまでの渡辺さんの話を聞き、タバコ、糖尿病、食生活の乱れは、狭心症・心筋梗塞になる典型的な生活パターンであると言います。また司会者は、心筋梗塞の患者とその家族に対して実施した意識調査から、心筋梗塞は再発リスクが高い疾患であるにもかかわらず、患者・家族の4割が、そうした発症リスクを知らなかったり、誤って認識していることを紹介。

 渡辺さんも、カテーテル治療によってすぐに退院できたので、退院直後は再発を意識していなかったそうです。しかし、心筋期梗塞の経験者である德光和夫さんから、再発の危険性を何度もアドバイスされたことから、意識するようになったそうです。

 代田医師は、急性心筋梗塞は発症してから数ヶ月、数年は再発率が高いことと、再発すれば予後が悪く、最悪の場合には生命を失うこともあると警鐘を鳴らし、磯部医師は、患者さんに再発に関する勉強していただくとともに、平成30年12月に「健康寿命の延伸などを図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」※という法律が成立したので、義務教育や社会での啓発活動をより盛んに行う必要があると訴えました。

※「健康寿命の延伸などを図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」https://houseikyoku.sangiin.go.jp/bill/pdf/h30-105.pdf

 渡辺さんが再発予防として取り組んだのは、食事、運動、定期的な検査。食事は、家族の協力を得て減塩に。運動は生活習慣の中に取り入れることが大切なので、犬の散歩でウオーキングを続けるとともに、スクワットも毎朝、歯磨きをしながら実施しているそうです。
 また、自分がやっていることが正しいかどうかは、自覚症状ではわからないので、心エコーは半年に1回、心電図は3カ月に1回、血液検査は約1カ月に1回にとることを決めて、再発予防に取り組んでいるそうです。

 渡辺さんは「カテーテル治療後に主治医に言われたことがありました。今回私は処置をしたのであって治療した訳ではありません。治療は生活習慣の改善でしから、これから自分でするものですと、言われてそうだなと思いました。また、こういう経験をしたために家族がいつも心配をしてくれています。検査をするということは、自分の身体のためだけでなく、家族を大事にしているというメッセージになるのだなあと実感しました」と話し、最後に、「弱腰になることです。少しでも不安になったら我慢したり明日でいいと思ったりせず、すぐに専門の医療機関を受診して、検査を受けることが大切です」と呼びかけました。

画像: 心筋梗塞には再発リスクがある。再発予防の取り組みが重要

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