※写真上=初日、御嶽海に敗れた稀勢の里は支度部屋で何を思う
写真:月刊相撲

御嶽海(押し出し)稀勢の里

「異様な雰囲気だった」と振り返った御嶽海。進退を懸けた稀勢の里が土俵に上がると地鳴りのような大声援が沸き起こった。昨年の秋場所よりも大きく、国技館が揺れるほどだった。

 稀勢の里にとって御嶽海は6勝1敗と合い口のいい相手。唯一、敗れたのが一昨年の名古屋場所で初日だった。左上腕をケガしてから、出場した7場所中、5場所で初日に敗れ、途中休場に追い込まれている。とにかく初日を白星で乗り切ってほしいとファンは声援で背中を押した。

 しかし、結果は完敗だった。立ち合いから稀勢の里は左を差しにいくが、当たりも弱く、御嶽海に右からおっつけられて果たせない。上体が伸び切り、いいところなく押し出された。

 2日目の対戦相手は逸ノ城で、初日に好内容で白星スタートを切り、気をよくしている。稀勢の里より大きい相手でもあり、ここは思い切り当たるしかない。引退間際の今、初心を思い出してほしい。

 稀勢の里が本名の萩原で番付を駆け上がった10代のころ、師匠(元横綱隆の里の鳴戸)は稽古場で突き押ししかやらせなかった。前に出る馬力でスピード出世を果たしてきたのだ。相撲の基本は押し。脇を固めて頭から当たり、下から押し上げて前に出る。師匠の教えを思い出し、最後まであがき続けてほしい。このまま終わったら寂しすぎる。

文=山口亜土


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