※写真上=幕下で注目の一番は、豊昇龍(右)が土俵際の逆転で宇良を投げ飛ばした
写真:月刊相撲

豊昇龍(掛け投げ)宇良

 10日目は幕下で注目の一番が組まれた。元幕内の業師・宇良と元横綱朝青龍の甥っ子・豊昇龍が3勝目を懸けて対戦。

 宇良は低い当たりから押し込み、豊昇龍の叩きにも落ちずに前に出る。しかし、豊昇龍も粘りを見せ、宇良の右腕を抱えて腕捻り、足をはね上げる掛け投げの合わせ技で逆転勝ち。柔道の決まり手では内股巻き込みとなる。

 子どものころに6年ほど柔道の道場に通っていた豊昇龍は、ちょくちょく柔道技が出る。この巻き込み技は体を相手に浴びせるため、2人の体重が踏ん張った宇良の右足にかかってしまった。右足をかばいながら土俵を降りた宇良は、そのまま車イスに乗って東の花道から裏の通路、西の花道脇を抜けて診療所へ。

 途中、記者に囲まれていた豊昇龍が宇良に「すみません」と声をかけると、宇良は「大丈夫」と手を挙げた。一昨年の秋場所で右ヒザ前十字靭帯を断裂し、6場所連続休場した宇良は、昨年の秋場所で復帰し、先場所は三段目で優勝して、関取復帰に向けて順調なスタートを切っていた。同じ場所を痛めた可能性が高いだけに心配だ。

 勝った豊昇龍は、「宇良さんは幕内までいった人だし、対戦が決まって緊張していた。低いタックルのような当たりは怖かった。ケガをさせてしまって心配です」と話すと、すぐに支度部屋に戻ってしまった。体もまだ細く、幕下では苦戦が多いものの、これで白星先行。大鵬の孫の納谷と比較されることが多いが、素質はこちらの方が上で、将来の三役以上は堅いだろう。

 この日は幕内でも、好調だった千代の国、琴勇輝が2番続けて車イスで退場とケガに祟られた1日で、気が重くなった。

文=山口亜土


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