※写真上=負傷して再出場した御嶽海が全勝の白鵬を破り、殊勲の星を挙げた
写真=月刊相撲

御嶽海(押し出し)白鵬

 5連勝スタートを切ったものの、左ヒザを痛めて7日目から休場していた小結御嶽海が再出場してきた。しかも相手はいきなり全勝の白鵬。もし、12日目からの再出場ならば、白鵬は両大関、両関脇との対戦が組まれるので、白鵬と当たることはなかった。11日目から出場すれば、白鵬と当たることは百も承知だったはず。ここに御嶽海の男気を感じた。

 と言っても、ケガがどこまで回復しているのか、どこまで相撲が取れるのかはわからない。それは白鵬も同じで、相手をよく見ながら受けて立った。思い切りぶつかっていった御嶽海の圧力は想像以上だったようで、白鵬は一気に後退。御嶽海は痛む足を必死に前に出して、ついに全勝の横綱を土俵外へ押し出した。館内に座布団が舞い、土俵下に落ちた白鵬は首を捻る。

 途中休場して再出場した力士が横綱に勝つのは、昭和27年春場所13日目に横綱東富士が横綱千代の山に勝って以来67年ぶり。横綱以外では、昭和26年秋場所8日目に小結備州山が千代の山に勝って以来となる。また、御嶽海は引退した稀勢の里を含め3横綱総なめ。関脇以下では昭和59年春場所の関脇大乃国以来35年ぶりと記録ずくめの勝利となった。

「横綱は強いので、自分の相撲を取ることだけを考えて前に出ました。ケガをして悔しかったので、その悔しさをぶつけていった」と殊勲の御嶽海。左ヒザの状態を聞かれ、「大丈夫」と答えていたが、花道を引き揚げるときは足を引きずっていただけに心配だ。

 御嶽海はこれで勝ち越しまであと2番。勝ち越せば殊勲賞は堅いだろう。過去には途中休場して優勝した力士はいても、三賞を獲得した力士はいない。残り4日、全力を尽くす。

文=山口亜土


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