秋場所一番の注目は、大関から陥落した貴景勝が二ケタ勝利を挙げて、1場所で大関に返り咲けるかどうか。

※写真上=危ない場面もあったが、大栄翔を突き落とし初日を白星で飾った貴景勝
写真:月刊相撲

 夏場所で右ヒザを痛めて名古屋場所を全休した貴景勝。夏巡業も不参加で、本格的な稽古は秋場所の番付発表後から始めた。正直、稽古量は足りなかったが、「大関をつかむ前の自分を思い出して、一生懸命やるだけ」と腹をくくっていた。

 初日の相手は埼玉栄高の先輩の大栄翔。普段から仲のいい大栄翔はやりにくかったと思うが、全力を出し切って気持ちのいい一番となった。

 突き押し相撲同士の激しい攻防となり、貴景勝が前に落ちそうな場面もあったが、痛めたヒザで何とか踏ん張り逆襲。相手が出てくるところをタイミングよく突き落として、大事な初日を白星で飾った。

「相手は突きも強いし、攻撃的な相撲なので、受けたら負けちゃう。気持ちで負けないようにいった」と貴景勝。危ない場面もあったが、「ヒザは大丈夫でしたね。この先、ヒザの心配はしないで取れそうです」と、このときは少し笑みも見られた。

 これで大関復帰まであと9勝。しかし、楽な道のりではないことは貴景勝自身がよくわかっている。「そんなに簡単にいかないと思っていたし、今日も負ける覚悟はできていた。腐らずやっていけば、何かつかめるものがあると思って初日を迎えました」と語る。

 関脇の地位は終盤に横綱、大関との対戦が控えるだけに、前半戦で白星を大きく先行させたい。場所前は大関復帰が厳しいと見られていたが、初日に好内容の相撲で勝ったことで、可能性は高まったと言えるだろう。

文=山口亜土

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