上位が早くも星のつぶし合いのような状況になり、全勝は平幕の正代と若隆景の2人だけになった。ただ、若隆景は土俵下に落ちたときに右足首を痛め、車イスで退場。病院に直行したが、最後まで右足をつけることができず休場が濃厚か。

※写真上=負傷した左ヒジをかばい、北勝富士に押し込まれ元気なく土俵を割った髙安
写真:月刊相撲

 三役陣では小結の北勝富士が元気だ。初日は白鵬に敗れたが、2日目にライバル視している御嶽海に勝って波に乗り、この日も大関髙安を圧倒した。

 立ち合いの踏み込みよく当たった北勝富士は、左から強烈におっつけて髙安の上体を起こして横向きにすると、休まず前に出て押し出した。これで2日目から3連勝。

「落ち着いて相撲が取れています。おっつけは意識している。体がよく反応しています」とニッコリ。御嶽海戦や3日目の宝富士戦では差さずにハズで止めて、相手の上体を起こす押し相撲の技能を見せつけている。

「自分はあまり三賞に縁がないんですよ。技能賞、もらえますかね」と口も軽い。先場所は終盤に8連勝しており、勝ちだすと止まらない爆発力がある。

 白鵬がピリッとせず、この日も隠岐の海に苦しみながらの勝利だけに、伏兵が優勝してもおかしくない。「明日につながる相撲だったので、乗っていきたい」と語る北勝富士が不気味な存在となってきた。

 一方、心配なのが2勝2敗の五分となったカド番大関の髙安だ。負傷した左ヒジにはサポーターも巻かず、力士としての美学を貫いているが、左が使えておらず、まだ相当痛いはず。場所前に演歌歌手の杜このみさんとの婚約を発表したが、励みよりもプレッシャーになっているかもしれない。

文=山口亜土

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