今年の初場所で古傷の右ヒザを負傷し、休場が続いていた元幕内の宇良が九州
場所から復帰した。

※写真上=軍配は宇良に上がったものの、行司差し違いで1敗目を喫した 
写真:月刊相撲

 番付は西序二段106枚目。休場中も上半身はかなり鍛え上げられてムキムキで、体重も増えたようだ。下半身もそれなりに鍛え、相撲を取る稽古は福岡入りしてから開始したが、「しっかり準備してきた。本場所の土俵で慣らしていけばいい」と語っていた。

 金星を獲得したこともある宇良が序二段では負けることはあるまい、強敵はケガから復帰して先場所序ノ口優勝した東洋大出身の村田ぐらいと思われていた。予想どおり、宇良は圧倒的強さで5連勝。危ない場面もなかったのだが、11日目の6番目の相撲で落とし穴が待っていた。

 対戦相手は今年の夏場所で初土俵を踏んだ中卒の16歳、ザンバラ頭の千代虎。両者、頭から当たって、激しい突き押し合い。宇良は引いたところを押し込まれたが、すぐに逆襲して押し返す。最後は相手の両足を渡し込んで倒した。

 軍配は宇良に上がったものの、物言いがつき、協議の結果、宇良の右手がつくのが早く、行司差し違いで千代虎の勝ちとなった。確かに宇良の右手が早かったかもしれないが、そのときには千代虎の体もなかった。技を仕掛けていたのは宇良で、宇良の勝ちか悪くても取り直しに見えただけに不運だった。

 初黒星を喫した宇良は、「負けたので何も言えないですね。ちょっと引いてしまったので反省です」と肩を落とした。

 全勝していれば、優勝を逃しても来場所の三段目が確実だっただけに、「三段目に上がりたかったですね」と悔しがった。最後の相撲に勝って6勝1敗としても、来場所の番付は序二段の25枚目ぐらいだろう。

 宇良を破った千代虎は、小1から地元の相撲道場に通い、中学では柔道部に所属。中2、中3と90キロ超級の佐賀県代表として全中に出場している。宇良に引かせるのだから、なかなか強い。今後も注目していきたいと思う。

文=山口亜土

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