幕内の優勝争いは白鵬が1敗で後続に2差をつけて独走。優勝へのマジックを1としていた。

※写真上=厳しい攻めで御嶽海を退け、4場所ぶり43回目の優勝を飾った白鵬
写真:月刊相撲

 白鵬を追う3敗力士のうち正代は敗れたが、朝乃山は勝って白鵬の優勝は決まらず。白鵬は優勝を懸けて結びの土俵に上がった。

 対戦相手は今場所での大関取りが期待されていた御嶽海。すでに7敗を喫し、あとがない。意地を見せてほしかったが、白鵬の攻めは厳しかった。

 立ち合い、白鵬が強烈に右から張ると、バチンと館内に響くほどだった。白鵬はすぐに左を差すと右上手をガッチリ。上手を引き付けて右から外掛けにいけば、御嶽海はたまらずひっくり返った。

 白鵬は4場所ぶりに史上最多を更新する43回目の優勝。元号が「令和」に代わって初めての優勝を決め、34歳8カ月は年6場所制となった昭和33年以降では4位の年長記録となった。

「令和元年に間に合ってよかった。3月の上腕二頭筋断裂、9月の小指骨折のケガを乗り越えての優勝なのでうれしいです」と白鵬。

 序盤から休場者が続出し、「重圧が背中にどっしりと掛かってきました」と言う。2日目に平幕の大栄翔に敗れるなど、前半はもたつき、危ない相撲も多かった。

「後半の相撲を意識しながら、少しずつ調子も上がってきた。考えて考え抜いての相撲でした」と14日間を振り返った。

 全盛期のような、どう取っても負けないという力強い相撲はもう取れない。対戦相手を研究し、いいところを出させないように、持てる技術を駆使して戦っている。これはこれで考える楽しさがあるのではないか。作戦がはまったときなど気持ちいいだろう。いつかゆっくり話を聞いてみたいと思う。

文=山口亜土

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