8日目は注目の一番が組まれた。現在1、2位の人気を誇る遠藤と炎鵬の初対決。2人は同郷で西南部中、金沢学院東高では遠藤が4年先輩となる。炎鵬にとっては憧れの先輩だ。

※写真上=同郷で角界を代表する人気者同士の対戦は、4年後輩の炎鵬に軍配が上がった
写真:月刊相撲

 2人が土俵に上がると館内は大歓声。呼出しの呼上げも聞こえないほどだったが、炎鵬は「歓声は聞こえなかった」と集中していた。

 立ち合いは炎鵬が右に動いて、遠藤の左差しを右からおっつけて振りほどき、離れての突き合い。遠藤も中に入れては厄介なので、よく見て突き放すが、慎重になりすぎてしまったか。

 炎鵬が右に左にとよく動くので、遠藤はつかまえることができない。遠藤が左をのぞかせながら出るところ、炎鵬は相手の左手を手繰って体を入れ替え、下からのハズ押しで遠藤を押し出した。

「何も考えず無心でいった。ただただ必死だったので、取り口はあまり覚えていない。体が勝手に動いた」と炎鵬。25秒間、動き回っただけに、風呂から上がっても肩で息をしていた。

 炎鵬にとって遠藤は中学、高校の先輩だが稽古をつけてもらったことはなかった。初めて肌を合わせたのは、炎鵬が高3のときに世界ジュニア選手権に出場したとき。日大4年で世界選手権に出場していた遠藤の準備運動の相手を務めた。

 アマチュア時代に華々しい成績を残した遠藤は「雲の上の存在」で、プロ入りした炎鵬の目標の1つは遠藤と対戦することだった。

「勝てるなんて信じられない。勝ってうれしいとか、あまり実感がわかない」と夢見心地の炎鵬。

 これで4勝4敗の五分の星にし、9日目は初めての大関戦となる豪栄道戦が組まれた。

「勝ち負けにはこだわらず、チャレンジャーの気持ちでぶつかるだけ」と語る。両横綱と3枚目の琴勇輝が休場しており、後半戦は役力士と総当たりになりそう。どんな相撲を見せるか楽しみだ。

文=山口亜土

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