春場所は無事に7日目まで終了。序ノ口力士が発熱で休場したが、単なる風邪のようで、何とか千秋楽まで完走してほしいものだ。

※写真上=スキのない取り口で御嶽海を退け、全勝を守った白鵬
写真:月刊相撲

 全勝の碧山が照強に敗れ、結びの白鵬-御嶽海の全勝対決で勝った方が単独トップに立つことになった。平幕に落ちている御嶽海だが、今場所は正代、貴景勝、朝乃山の実力者を圧倒しており絶好調。白鵬にも勝てるのではないかと思っていたが、さすが白鵬である。

 白鵬は左から張って左上手を取りにいった。右はカチ上げではなく、ワキを締めて当たり、御嶽海にモロ差しを許さない。左上手、右前ミツで前に出る白鵬。御嶽海の回り込みながらの引きに上手が切れたが、そのまま土俵際まで追い詰める。最後は十分に腰を落として押し出し。まったくスキがなかった。

「(御嶽海は)前半戦で当たる相手じゃなかったし、気持ちを引き締めていった。体が勝手に動いた感じです」と白鵬。

 休場明けの今場所序盤はもたもたして、苦しみながら必死に白星を拾っている印象だったが、今日の相撲を見る限り、エンジンが掛かってきたようだ。「昔から白星は薬と言いますからねえ」と、連勝を重ねることで相撲勘も戻ってきた。

 結び前の一番では、内弟子の炎鵬が鶴竜に初挑戦したが、横綱には歯が立たず完敗。土俵下から穏やかな表情で見守った白鵬は、「よくここまで来たなあと、感慨深いものがありました」と語った。

「こういう場所なので、引っ張っていきたい」と力強く決意を口にして会場をあとにした白鵬。過去に不祥事で天皇賜盃を辞退した2場所は白鵬が優勝した。「こんな場所で優勝した力士が初優勝だったらかわいそうでしょ」と、以前話していたことがある

 今場所は賜盃と内閣総理大臣杯の授与はあるが、それ以外の表彰は断っており、支度部屋で後援者らに囲まれての万歳もなく、優勝パレードも行わない。こういう場所だから自分が優勝しなくてはと、白鵬は強く思っているはずだ。

文=山口亜土

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