無観客で開催された春場所も今日で折り返しとなった。前日、発熱で休場した序ノ口力士は平熱に戻ったが、5勝2敗と好調だった幕内千代丸が39度を超える高熱のため休場。発熱が続けば新型コロナウイルス検査を受け、感染者が1人でも出れば途中打ち切りとなる。

※写真上=2年ぶりの同学年ライバル対決は、豊山の執念に軍配が上がった
写真:月刊相撲

 裏方も含めた協会員は原則部屋からの外出禁止、部屋から会場までは電車やバスは使わず、タクシーで往復。場所入りしてから会場外に出るのも禁止されている。これだけ注意を払っているので、コロナウイルスに感染することはないと思うが心配だ。

 8日目は朝乃山-豊山の同学年ライバル対決が組まれたので、この一番を取り上げたい。今では差がついてしまったが、入門当初は豊山の方が将来性を高く評価され、新十両も新入幕も豊山が早かった。それが令和最初の本場所となる夏場所で朝乃山が平幕優勝したとき、豊山は十両で8勝止まりに終わり涙を流して悔しがっていた。

 この2人の対戦は平成30年春場所以来2年ぶり。これまでの対戦は十両以下も含めて朝乃山の3勝2敗と拮抗している。朝乃山に対して並々ならぬライバル心を燃やしている豊山は、今場所一番の立ち合いを見せた。

 胸から当たることが多い豊山が、頭から思い切りかましていった。突き放して朝乃山に廻しを与えない。朝乃山も突き押しで攻め返すが、豊山が逆襲。相手の引きに乗じて前進し、バランスを崩した朝乃山を左からの掬い投げで土俵に叩きつけた。大関取りを目指す朝乃山にとって痛恨の2敗目だ。

「右を使わせないようにと思っていた。向こうが引いてくれたので、あとは走るだけ。気持ちよかった」と振り返った豊山。

 対戦は2年ぶりだったが、「(朝乃山が優勝した)去年の5月から今日(朝乃山と)相撲を取ることだけ考えてきた。苦い思い出も少しは報われたかな」とライバル意識はすごい。

 敗れた朝乃山はよほどショックだったのか、ミックスゾーンで待ち受ける報道陣の呼びかけに応じず、無言で会場をあとにした。

 優勝争いは自己記録を更新する49回目のストレート給金を決めた白鵬が単独トップ。対抗馬と目された朝乃山、御嶽海が2敗に後退し、1敗力士は平幕の隆の勝、碧山の2人だけ。白鵬の独走ムードになってきた。

文=山口亜土

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