無観客開催となった春場所もいよいよ大詰め。結び前には2敗同士の白鵬-碧山戦が組まれ、白鵬が下がりながらも、左上手投げで2敗を守った。

※写真上=物言いがついた結びの大熱戦は、行司差し違えで鶴竜が白星を勝ち取った
写真:月刊相撲

 結びは復活優勝を目指す2敗の鶴竜と大関昇進を目指す3敗の朝乃山の対戦。両者、負けられない一番は大熱戦となった。

 立ち合いはやや鶴竜の踏み込みがよかったが、朝乃山は得意の右を差して前進した。両者上手が取れず、鶴竜は回り込みながら左を巻き替えてモロ差し。朝乃山は構わず前に出て、土俵際で投げの打ち合いとなり、ほぼ同時に土俵下へ落ちた。

 式守伊之助の軍配は朝乃山に挙がったが物言い。協議の結果、朝乃山の左ヒジがつくのがわずかに早く、行司差し違えで鶴竜の勝ちとなった。

 2敗を守った鶴竜は、「自分では見えていたので大丈夫だろうと思っていた」と振り返る。千秋楽は白鵬と相星で決着をつけることになった。楽日相星決戦は平成25(2013)年九州場所の日馬富士-白鵬戦以来となる。鶴竜は、「ここまできたらやるだけ」と会場をあとにした。

 4敗目を喫した朝乃山は、「あとちょっとだったので悔しいです。物言い協議の結果なので受け止めます。自分が弱い。それだけです」と肩を落とした。

 大関昇進の目安となる三役3場所で33勝には12勝が必要で、千秋楽に勝っても11勝。朝乃山は、「出直しです。出直し」とサバサバした表情で引き揚げたが、1人大関の現状を考えると昇進の基準は甘くなるはず。

 しかも、明日の対戦相手は7勝7敗の大関貴景勝。朝乃山が勝てば、貴景勝はカド番となるだけに上げるのではないか。審判部も、千秋楽の相撲を見てからとしながらも、「内容は初日から充実している」と相撲内容を評価している。

 無観客で心配された春場所も、横綱同士の相星決戦、朝乃山の大関取りと千秋楽まで目が離せない展開となった。

文=山口亜土

おすすめ記事

相撲 2020年3月号


This article is a sponsored article by
''.