※写真上=今大会の1バタでは池江に敗れたものの、次々とレースをこなし、その存在感を発揮したシェーストレム
写真◎井出秀人

世界女王として

 初めて世界の頂点に立ったのは2009年、若干15歳のときだった(ローマ世界選手権の100mバタフライ)。以来10年近く、世界のトップ選手として君臨してきたのがサラ・シェーストレム(スウェーデン)である。現在25歳となり、50、100m自由形、50、100mバタフライと4種目の世界記録を保持している。池江璃花子(ルネサンス/淑徳巣鴨高3年)がメイン種目とする100mバタフライの女王であり、また池江が10月に短期で参加したトルコに拠点を置くスイムチームでともに練習したことでも知られるなど、日本での認知度も高まってきた。

 1年前のインタビューでは、「私はもともと1バタで世界のトップレベルに達しましたが、キャリアの途中でバタフライの伸びしろがあまりないと思って、自由形に挑戦したことが良かった。それが、これだけ長く活躍できている理由です」と語ってくれた(スイミング・マガジン2018年1月号)シェーストレム。そして今年も例年同様、ワールドカップ東京大会に参戦のために来日し、多種目に出場するなどそのタフネスを見せつけてくれた。その彼女に、あらためて長きにわたりトップに君臨してきた理由を尋ねてみた。

画像: 今年のW杯東京大会では3日間、計6種目、12レースを泳ぎきり、「鉄の女」ホズー(ハンガリー)とともにそのタフネスぶりを見せつけた 写真◎井出秀人/スイミング・マガジン

今年のW杯東京大会では3日間、計6種目、12レースを泳ぎきり、「鉄の女」ホズー(ハンガリー)とともにそのタフネスぶりを見せつけた
写真◎井出秀人/スイミング・マガジン

小さいことでも何でもいいので、改善できる部分を見つけ、
それをクリアするために努力することです。

――長年、世界のトップレベルの力を維持してきた理由はどこにあるのでしょう?

シェーストレム「まずは水泳を楽しむことです。あと小さいことでも何でもいいので、改善できる部分を見つけ、それをクリアするために努力することです。私の場合は背泳ぎでも大会に出たりするように、レースはなるべく多くの種目に出場して、そうした課題を見つけています。また、どの種目でも自己ベストを更新することを念頭に置いて臨んできたことが今につながっていると思います」

――サラ選手は、15歳のときに世界選手権優勝を果たしていますが、周りの見る目や注目度が上がったと思います。そのとき、戸惑ったり、その状況をうまくコントロールできないときもあったのではないでしょうか?

シェーストレム「そもそも、当時は若く、期待もほとんどされていなかったので、優勝して周囲の人がものすごく衝撃を受けていたことを覚えています。ただ、どんな感じだったのかな、あまり覚えていませんが、すべてにおいてプレッシャーや期待を受ける中で、どのように自分がそれに相応しい結果を出せるようにしていくのかを学びながら、練習していたと思います。今の自分が良い状態を維持できているのは、自分自身にプレッシャーをかけすぎないこともひとつのポイントになっていると思います」

――年齢を重ねるにつれ、注意を払っている部分はありますか。

シェーストレム「まずはケガをしないこと、疲れを残さないようにトレーニングすることです。今年はケガなしでシーズンを終えることを目標にして、そのまま達成できそうですし、来年、再来年に向けた身体づくりも並行して行なってきました。ケガをしないという目標から落としこんで、細かいトレーニングメニューに励んでいます」

――昨シーズン前から新しいコーチの下、地元・ストックホルムと、世界のトップ選手が集まるトルコの施設を拠点に練習していると聞いていますが、どのような体制で臨んでいるのですか。

シェーストレム「その2カ所を行ったり来たりしている感じです。一人でやっているわけではなく、それぞれ10人ずつのグループの中で練習しています。グループでやるなら、それくらいが適度な規模かと思っています。トルコのほうはスプリンターから長距離選手と性質の違う選手が多いので、その個人に合ったトレーニングが多いと思います」

――来年は世界選手権、再来年は東京五輪がありますが、あなたのキャリアの最終目標はどこに置いていますか。

シェーストレム「来年は世界の表彰台に立てるようにすることですが、私は、常に今の自分を超えていきたいと思っています。私の4種目の自己ベストは世界記録なので、なかなか超えることは大変な部分もありますが、成長し続けていくことが究極の目標です」

文◎牧野 豊(スイミング・マガジン)


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