競泳選手はふたつのタイプに分かれると思う。勝負の緊張感がたまらないレース大好きタイプと、人と競り合うのは苦手でただ泳いでいるのが幸せ…という平和志向タイプである。

※写真上=中3時にはリオ五輪に出場した酒井は昨季、アジア大会優勝、高校新記録の樹立などさらに進化を遂げ、新たなシーズンを迎える
写真◎小山真司(スイミング・マガジン)

 女子背泳ぎで今大会、100、200mの2冠での代表入りを目指す酒井夏海(武南高2年/スウィン南越谷)は後者のほう。タイムなんて気にすることなくプールの中をたゆたっていたい…という人で、レースで好結果を出しても「勝負するのが好きじゃなくて…」と複雑な表情を浮かべることもしばしばだった。

 しかし昨年夏、パンパシフィック選手権とアジア大会で100、200mともに高校新を連発し、アジア大会100mでは金メダルを獲得するなど、タフな連戦をまっとうしたことで、今後への心持ちが大きく変化したようだ。

「世界のトップ選手たちと対等に戦うのはすごくしんどいことだと思いますが、誰かに勝てたらうれしいと思うし、周りからも認められると思うので頑張ってみたいと思っています」

 競技者としての覚悟がはっきり決まったような、そんな感じなのである。

 今季は世界選手権での決勝進出を見すえ、身体づくりを重視して国内でウェイトトレーニングに励んできた。筋力をつけ、ストロークテンポを上げることでひとかきで進む距離を伸ばし、かつ、ラストでもうひと踏ん張りできる持久力を養うためだ。日本選手権の試金石となった2月のコナミオープンではその身体を使いこなせていないと感じていたが、酒井はさらりと言っていた。

「4月までには筋力を泳ぎにうまく落とし込んでいきたいです。100mでは日本記録(58秒70)更新を目指します」

 その100m決勝は大会3日目。目標を成し遂げ、最終日の200m決勝につなげたいところだ。

文◎佐藤温夏(スポーツライター)

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