14日(土)~16日(月・祝)に行なわれる「いきいき茨城ゆめ国体」の競泳競技。多くの選手にとってはシーズンの締めくくりとなる大会で、郷土の誇りをかけて戦うだけではなく、中高生にとっては年代別の記録を狙う大会となる。一方でトップ選手は2020年東京五輪に向けてすでに始動。代表を争うライバル同士の激突も見られそうだ。

写真◎世界ジュニア選手権200mバタフライで2位に入った本多。高校新なるか(撮影/Getty Images)

高校・中学新記録の誕生は?

 主に高校2~3年生が出場する少年A区分で注目は、男子200mバタフライの本多灯(神奈川・高校3年)だ。本多は8月に行なわれた世界ジュニア選手権の同種目で銀メダルを獲得。1分55秒31は日本水泳連盟の定める世界選手権などの国際大会の今年度の派遣標準記録を突破。高校記録(1分55秒08)にも0秒23と迫っている。本多の持ち味は後半で、世界ジュニア選手権決勝進出者の中でも後半100mは最も速かった。前半を55秒台で入ることができれば高校新記録が見えそうだ。
 男子100mでは田中大寛(大分・高校3年)が高校新記録を狙う。田中はインターハイでも100、200m自由形の2冠を達成しており、この世代の自由形短距離ではタイム以上に強さを感じさせる選手。高校記録は49秒49で、田中の自己ベスト(49秒76)から0秒27短縮する必要がある。決して簡単な数字ではないが、8月後半の全国JO杯夏季で「国体では高校新記録を出します」と宣言。勝負強さを見せられるか。
 地元・茨城では男子50m自由形の猿山翔太(高校3年)に優勝の期待がかかる。この種目でインターハイを制しており、国体でも頂点に立てるか。田中との高校最速決定戦となりそうだ。

 女子では2人の高校記録保持者が、自身の記録を塗り替えられるか。
 今夏の光州世界選手権で100m背泳ぎファイナリストとなった酒井夏海(埼玉・高校3年)は、200m背泳ぎに出場。高校記録は昨年のジャカルタアジア大会で出した2分8秒13だが、今季の最高は2分10秒08と、200mでは思ったような結果を残せていない。シーズン最後の大会で本領発揮となるか。
 女子400m自由形は、5月のジャパンオープンで4分8秒37の高校新記録を樹立した難波実夢(奈良・高校2年)が出場。難波は世界ジュニア選手権では800m自由形でも高校新記録をマークし、2種目で高校記録保持者になったものの、400mでは力を発揮できなかった。シーズン最後を好記録で締めくくれるか。

中学記録は少年B男子自由形の大阪の2人が狙う。
 重藤流世(中学3年)は8月の全国中学で50mの中学記録(23秒51)を狙うために出場種目を一本に絞ったが、23秒73と目標達成ならず。残る大会で狙うと話した。自己ベストは23秒63と中学記録まで0秒12。国体で大願成就となるか。
 400mでは高木陸(中学3年)が全国中学、全国JO杯夏季と2大会続けて3分56秒台中盤をマーク。特に全中では前半から積極的にレースを展開し、中学記録(3分55秒10)を狙った。後半はバテてしまったものの、十分に予感させるレースだっただけに、期待がかかる。

東京五輪を見すえたトップ同士の戦い

 成年の部は東京五輪の代表を狙う選手たちの争いに注目が集まる。

 男子100m平泳ぎには、ともに光州世界選手権代表の小関也朱篤(山形)と渡辺一平(大分)が出場。100mは小関の得意種目で分があることは間違いないが、世界選手権200m平泳ぎ銅メダリストの渡辺が100mで小関にどう挑むか、楽しみだ。
 成年男子100mバタフライは今夏の光州世界選手権代表の水沼尚輝(新潟)と昨年アジア大会代表の小堀勇氣(石川)と二人の代表経験者に、新鋭の石川愼之助(愛知)がどんな泳ぎを見せるかに注目。石川は9月上旬に行なわれた日本学生選手権(インカレ)で51秒11の日本歴代2位のタイムをマーク。光州世界選手権の3位相当の記録だっただけに、東京五輪の代表争いという点でも見逃せない。

 成年女子では200m個人メドレーで大橋悠依(滋賀)と大本里佳(京都)の光州世界選手権代表が激突。世界でも表彰台を狙える二人のレースは必見だ。自己ベストのラップを見ると、バタフライはほぼ互角、背泳ぎ、平泳ぎは大橋が有利、自由形は大本が有利という状況。この展開を覚えておくと、さらにレースを興味深く見ることができるだろう。
 成年女子100m平泳ぎには光州世界選手権4位の青木玲緒樹(東京)と、2012年ロンドン五輪200m平泳ぎ2位、100m平泳ぎ3位で16年リオ五輪、17年ブダペスト世界選手権代表の鈴木聡美(福岡)が出場。こちらもハイレベルなレースになること請け合いだ。

 そして気になるのが萩野公介(栃木)だ。今大会には200m個人メドレーと100m背泳ぎにエントリー。今年3月からの休養後、8月上旬のワールドカップ東京大会でレース復帰を果たしたが、レース勘を取り戻すにとどまる内容となった。それから1カ月、いい練習を積めていると話しているだけに、どんな泳ぎを見せるか、注目だ。
文/早川大介

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