2019年シーズンも成長著しいジュニア選手たちの活躍があった。未来の日本代表選手たちの活躍を振り返ろう。この中から東京五輪代表が誕生するかもしれない!

写真上/2019年シーズン、ジュニアスイマーの中でも、本多の活躍は特筆すべきものだった(写真は国体、撮影◎菅原淳/スイミング・マガジン)

本多灯が200mバタフライで
東京五輪代表争いに名乗り!

 2019年シーズン、ジュニア男子で最も衝撃をもたらしたのは、世界ジュニア選手権の本多灯(日大藤沢高3年)だっただろう。
 衝撃の理由は、大会最終日の200mバタフライで出した1分55秒31。日本水泳連盟が制定する今年の世界選手権派遣標準記録、そして来年の東京五輪標準記録をも超え、さらには日本ランク3位につけるビッグタイムをたたき出したからである。

 しかも、記録を出したアプローチも素晴らしかったことも挙げておきたい。4月の日本選手権から8月上旬のW杯東京大会まで、実に5回も自己ベストを更新。世界ジュニアでは若さを頼りに一発ぶち上げたのではなく、詰め将棋のごとく積み上げた結果だった。
 その痕跡は50~150mまでの3ラップの変化に表れており、W杯東京大会までは、それぞれ30秒台で回っていたが、世界ジュニア決勝はすべて29秒台。お見事、のひとことである。200mバタフライは瀬戸大也(ANA)が引っ張る日本男子のお家芸的種目。勢いあふれる新星、現れたりである。

カツオに続け!
200m自由形が熱い!

 では、今季、男子ジュニア全体の傾向はどうだったのか。選手のレベルを知るうえの目安となる、日本水泳連盟制定の「インターナショナル、ナショナル標準記録」突破者数で見てみよう。

 全14種目中、中学1年から高校3年までの6学年で最も突破選手数が多かった種目は200m自由形。人数は19名だった。
 200m自由形といえば、8月の光州世界選手権(韓国)で“カツオ”こと松元克央(セントラルスポーツ)が2位に入った種目だ。2016年リオ五輪800mフリーリレーで銅メダルを獲得、次は自分も(リレー枠は4人あるのでそのぶんチャンスも多い)、ということで注目度がアップしていたが、今年は松元の快挙もジュニアをさらに刺激したはずだ。

 高校ランク1位でジュニアエリートA(中学・高校生統一の強化標準記録)を突破している田中大寛(サイズSS/大分県立別府翔青高3年)を筆頭に、同2位の柳本幸之介(日大豊山高1年)、瀬良紘太(同2年)、清水博斗(コナミ海老名/日大藤沢高1年)がジュニアエリートB(男子は一学年上のナショナル標準記録)を突破。中学生ランクでは坂本琉耶(みなとSS/南山中3年)がトップ、2年生の桐山真葵(マリン西新井/立教池袋中)はジュニアエリートBを突破している。

 また、この種目で中学ランク2位につけた高木陸(KTV豊中/豊中市立第九中3年)も赤丸急上昇中の選手。自由形中長距離も得意としており、今年は400、800m自由形で中学新をマーク、存在感を示している。メインと位置づける400mでは、200mのスピードと、800mでも戦える心肺能力を武器に、一気に飛躍しそうな匂いをぷんぷん放っている。

画像: 400、800m自由形で中学新を樹立した高木(撮影◎菅原淳/スイミング・マガジン)

400、800m自由形で中学新を樹立した高木(撮影◎菅原淳/スイミング・マガジン)

 伝統的に厚い選手層を誇る平泳ぎでは、100mで18名、200mで16名が突破。人数こそ200m自由形より少ないが、記録的にレベルの高い選手が多く、高校3年生は100mで5名、200mでは6名が、ジュニアエリートAを突破した。

 その顔ぶれは、インターハイ100mで優勝した山尾隼人(NECグリーンSC玉川/桐光学園高3年)、4月の日本選手権で50mの高校新を樹立、インターハイでは200mを制した谷口卓(日大豊山高3年)、世界ジュニア代表の荒井悠太(アクラブ稲城/八王子高3年)、谷口の50m平泳ぎの高校記録をジャパンオープンで塗り替えた近江ハリー(大町SS/地球環境高3年)、インターハイでナショナル標準を初突破した榎田大己(アクアアカデミーNb/鹿児島情報高3年)ら……記録と名前を追うだけで、クラクラしそうな凄まじい競り合いとなっている。

 一方、これまで突破人数が多かった400m個人メドレーは、昨年より4人減って15人に。高校ランク1位は前述の本多で、2位にはインターハイ個人メドレー2冠の小方颯(イトマン港北/日本大高1年)、3位には9月の国体(少年A)で初優勝した田渕海斗(NECグリーンSC溝の口/日大藤沢高2年)が入った。この3名はいずれもジュニアエリートAを突破している。

 以上、2019年の男子ジュニアシーンを駆け足で振り返った。伸びしろの大きさが何より魅力のジュニアスイマーたち。東京五輪シーズンの来季、どんな成長を見せてくれるのか。注目だ。

文/佐藤温夏(ライター)

おすすめ記事

スイミング・マガジン 2019年11月号


This article is a sponsored article by
''.