箱根駅伝の王者として迎えた今シーズン、東海大は学生三大駅伝初戦となった10月14日の出雲駅伝を4位で終えた。選手たちは優勝だけを見据えていたとあって、レース後には悔しさを隠せなかった。ただ、初優勝した国学院大とはわずか20秒差。昨年は3位だったが、優勝した青山学院大とは1分33秒、2位の東洋大とも1分21秒の差が開いた。両角速監督の「昨年は蚊帳の外でしたから、一つ順位を下げたとはいえ、まずまずでした」というコメントからもわかる通り、悲観はしていない。11月3日に行われる全日本大学駅伝に向けて、むしろ闘志に火が付いたといえるだろう。

※上写真=全日本にエントリーされた3年生トリオ(左から西田、名取、塩澤)
撮影/早浪章弘、田中慎一郎(陸上競技マガジン)

 出雲駅伝で見せ場をつくったのが、最長区間のアンカーを務めた西田壮志(3年)だ。トップの駒澤大と39秒差の5位でタスキを受けた西田は、2秒前にスタートした国学院大の土方英和(4年)に付いていった。「突っ込んだ分、終盤はきつかったです」と最後は土方らに離されたが、一時は優勝が見える位置まで追い上げるなど、区間2位で一つ順位を上げた。「今年はきついときでも粘れるようになりました。他校のエース級が相手でも、負けない走りをしたい」と気迫は十分で、今大会でも本人の希望通り、主要区間に起用されそうだ。

 東海大は4年生が“黄金世代”といわれているが、3年生にも名取燎太、塩澤稀夕、西田と、全国高校駅伝のエース区間である花の1区で1~3位を占めたトップランナーがそろっている。発表されたエントリーでは、塩澤が3区、名取は最終8区、西田は補員に回ったが、当日のメンバー変更で出場する可能性は高い。

 名取は2年時までケガに悩まされたが、冬期から今シーズンに向けてはじっくりとトレーニングを積んできた。年度当初から、出雲駅伝を回避して全日本大学駅伝と箱根駅伝に合わせるプランを組み、出雲の約1週間前には札幌でハーフマラソンに出場。1時間02分44秒の自己新で優勝を果たした。今大会で走るなら、長距離区間か。出場すれば三大駅伝デビュー戦となるが、「気負わずにチームに貢献したい」という。

 塩澤は1年時の全日本大学駅伝で、当時の主要区間だった2区で5位と好走した。2年時はケガで駅伝を走れなかったため、今年の出雲はそれ以来の三大駅伝出場となった。その出雲は、エースが集う3区で6位。両角監督は「ようやくこういう場で走れるようになったのは大きい」と評価しており、今大会でも故郷・三重での快走に期待を寄せる。

 注目の3年生トリオが、東海大を16年ぶりの頂点に導くか。

文/石井安里

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岡田正裕/著(元・亜細亜大学陸上競技部監督、前・拓殖大学陸上競技部監督)


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