BBMカードの制作担当者が、自分が作ったアイテムについて思い入れを綴るコラムシリーズ。新シリーズとなる「Brilliant」の第1弾となる広島の編集を担当した筆者の思いとは?
各アイテムの基本的なカードラインアップを決めるリストづくりは、パック商品かセット商品か、加工にどれくらい時間がかかるかなどの仕様によっても変わってきますが、通常はだいたい発売2~3カ月前くらいに行っています。
8月下旬発売の『BBM 2019 Brilliant 広島東洋カープベースボールカードセット』の記録をさかのぼってみると、当初案の作成日は6月13日となっていました。開幕から2カ月半が過ぎたその時点までに活躍している選手をまずはリストに並べるわけですが、ここで難しいのは、さらに2カ月半後の発売タイミングではどうなっているかの予想も加味しなければならないところです。
今回でいえば、菊池保則投手、中村恭平投手が開幕から中継ぎで貴重な戦力となっていたのですが、シーズンを通じてブルペンでスタンバイした経験のない両者が夏場まで調子を維持できるかは未知数。逆に、2人より若いものの、リリーフとしての実績では抜群の今村猛投手が出遅れており、先発で昨季8勝ながら開幕でつまずいた岡田明丈投手も含めた4人から、レギュラーカードに入れる2人を迷いました。
最終的に、菊池保、中村恭の2人を選ぶことにしたのは、Brilliantシリーズはレギュラーカードと言えどハイグレード仕様だけに、これまでさまざまなアイテムでインサートなどにピックアップされているスター選手ばかりでなく、苦労人の両選手をぜひ、入れたいという気持ちからでした。
菊池保は、茨城・常磐大高から2008年に入団(高校生ドラフト4巡目指名)した楽天で、14、15年に4勝ずつを挙げて先発投手として期待されながら、肩を痛めたこともあり、その後は1勝どまり。昨オフ、福井優也投手とのトレードで広島に移籍してきました。
北東北リーグ・富士大からドラフト2位指名で2011年に広島入りした中村恭は、当初、前年限りで引退した高橋建投手の背番号22を与えられましたが、13年と16年に1勝ずつで、一軍登板なしに終わった17年オフに現在の64番に変更に。昨季から中継ぎ転向となっていました。
復調した今村は7月以降、さすがの働きを見せていますが、今季にかける決意に並々ならぬものがあるであろう2人も負けてはいません。9月3日現在、菊池保は46試合に登板して1勝8ホールド、防御率2.96、中村恭も7月に一度戦列を離れた期間がありましたが8月には復帰し、37試合で10ホールド、防御率2.35の成績を残しています。
これなら27人限定のレギュラーカードに並んでも、まったく違和感がないどころか、もし外していたら、熱心な鯉党からブーイングがあったことでしょう。もちろん、こちらの思った通りにいくことばかりではないですが、期待を裏切らなかった両投手に感謝です!
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