日本男子リーグの決勝トーナメントが、11月9日(土)、10日(日)、愛知県名古屋市・パロマ瑞穂野球場で行われた。今年は、これまでの東西2リーグ制から1リーグ制に統一。リーグ戦の上位5チームが、一発勝負のトーナメントで今年の男子日本一の座を争った。
大会初日の1回戦第1試合は、リーグ4位の大阪桃次郎と同5位のデンソーが対戦。まずはここを勝ち上がって、上位に挑戦する権利を得なければならない。大阪桃次郎は、岡崎建斗ではなく、リーグ戦の後半に調子が上がってきた木原道哲を先発に送る。デンソーはもちろんエースの山脇佑也が先発。両投手ともコントールが冴えて、スコアボードにゼロを並べていく。試合が動いたのは5回、ルーキーの松尾翔貴が右中間へソロ本塁打を打ち込んだ。続く6回には森光公平の一二塁間を破る適時打で追加点。大阪桃次郎は山脇に対してわずか1安打と持ち前の攻撃力がまったく出せなかった。
1回戦第2試合は、リーグ1位の平林金属と同2位のダイワアクトが対戦。ここで勝てば、いち早く決勝進出の権利を得られる。負けても2日目の準決勝には進めるが、ダブルヘッダーになるためどちらもここで決めておきたいところ。そこで、ダイワアクトは3連投も覚悟でエースのアンドリュー・カークパトリックを送った。そのアンドリューが、4回に自らのバットで先制2ランを打ち込む。平林金属もすぐに松田光の二遊間を破る適時打と、井上知厚の左犠飛で同点とする。1位・2位対決にふさわしい試合になったが、最後はやはり松田。勝ち越しのソロ本塁打を打って決勝進出を決めた。
ダブルヘッダーとなったデンソーとリーグ3位のホンダエンジニアリングの対戦。ここで勝ったチームは準決勝への出場権を得られる。デンソーの山脇は、リーグ最多投球数を誇る鉄腕らしくダブルヘッダーを感じさせない好投を見せた。一方でホンダエンジニアリングの長井風雅も、今年の急成長を証明するようなピッチングを見せ、一進一退の攻防が繰り広げられた。延長も目前に迫った7回裏、デンソーは代わった大西泰河を攻めて満塁とすると、田中大輔がサヨナラ打を打った。
2日目。ダイワアクトは決勝を見据えて、先発にウエムル・マタを送る。ところがこれが裏目に出てしまった。デンソー打線にいきなり安打、失策、四球で、無死満塁のピンチを招く。続く四番、五番を連続三振に切って取ったが、ネクストサークルで虎視眈々とマタの球筋を見ていた松尾が、狙いすましたかのような会心の満塁弾を打ち込んだ。松尾は前日に続いて2本目の本塁打(優秀選手賞を受賞)。ダイワアクトも意地を見せて4回裏に3点を返すが、山脇が1点のリードを守り切った。
リーグ戦5位から決勝まで勝ち上がったデンソーだったが、準決勝を1点差で投げ切った山脇には限界が見え始めていた。百戦錬磨の平林金属が、そのスキを逃すはずがない。1回に4安打を集中させて3点、2回にも同じく4安打で3点。あっという間に、松田にとって十分すぎるセーフティリードを奪った。
5回には、今年限りで引退を決めている井上が、新たな門出を自らのソロ本塁打で祝った。松田は投手として2勝。打者としても7打数4安打4打点。異論の余地のないほどの大活躍で、最優秀選手に選ばれた。平林金属は連覇を達成。優勝回数は5度となり、4度のダイワアクトを抜いて単独最多となった。
なお、日本男子決勝トーナメントの詳細は、12月24日(火)発売のソフトボール・マガジン2月号に掲載予定です。
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