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2019-11-07

【ソフトボール】男たちの熱き戦い! 日本男子リーグ決勝トーナメント展望

11月9(土)、10日(日)に、愛知県名古屋市・パロマ瑞穂野球場にて、『第48回日本男子リーグ決勝トーナメント』が行われる。出場するのは、今季のリーグ戦で上位5位までに入ったチーム。5チームによる変則的なページシステムで、今年の男子ソフトボール日本一を決める戦いが始まる。

※昨年、3年ぶり4度目の日本一に輝いた平林金属
写真◎松村真行(ソフトボール・マガジン編集部)
文◎大久保 亘

 2019年は日本男子リーグが大きく変わった年だった。昨年までの東西2リーグ制から1リーグ制に統一。決勝トーナメントも、東西4チームずつ計8チームによるものから(18年は東西3チームずつ)、5チームになった。出場する5チームの今季のリーグ戦を振り返りながら、注目選手などを紹介していこう。

リーグ1位:平林金属(14勝2敗)

 1リーグ制の初代王者に輝いたのは平林金属。第2節までは首位のダイワアクトを追走。第3節の4連勝で単独首位に立つと、第4節ではエースの松田光を温存しながら逃げ切って見せた。結局2位以下とは2勝の差をつけた。これで西日本リーグから続くリーグ連覇を「5」に伸ばした。

 チームは、投打の二刀流・松田をはじめ、井上知厚、八角光太郎、宇根良祐と、最多4人の日本代表を擁している。この代表メンバーで固めた二塁手、三塁手、遊撃手の内野陣は鉄壁だ。さらにリーグ首位打者であり、圧巻の9盗塁を記録した西山幸助までおり、選手層は文句なし。必勝を期した地元開催の全日本総合選手権で惜敗しただけに、連覇がかかる決勝トーナメントへの思いは強い。

連覇を狙う平林金属は、投打の二刀流・松田(写真)をはじめ、日本代表選手多数擁する
写真◎湯浅芳昭(ソフトボール・マガジン編集部)

リーグ2位:ダイワアクト(12勝4敗)

 2位以下は同率で3チームが並ぶ大混戦だった。完全な三つ巴になり、直接対決の成績でも決まらず。結局、直接対決の失点差まで加味した末に、ダイワアクトが紙一重で上回った。今季はアルゼンチンのエース、ウェルム・マタが新加入。マタは打っても打率3割超え(.357)、本塁打6本を記録。オーストラリア代表のアンドリュー・カークパトリックとのダブルエースで、開幕8連勝とロケットスタートを決めた。

 第3節で平林金属に首位を譲ったものの、第4節では2位争いをしていたホンダエンジニアリングに勝利して、勝負強さを見せた。何よりもページシステムは2位までには1敗できる優位さがある。最大3試合になることまで見据えて、両エースをどのように起用するかに注目だ。

ダイワアクトはアンドリュー(写真)、マタと世界トップレベルの投手を擁する
写真◎湯浅芳昭(ソフトボール・マガジン編集部)

リーグ3位:ホンダエンジニアリング(12勝4敗)

 ホンダエンジニアリングは、第4節で上位同士の直接対決が集中。ここで大阪桃次郎には快勝したが、ダイワアクトに敗れたことが響いて3位になった。今年は3年目の長井風雅が大事なところで好投を見せ、頼れるエースへと成長を遂げた。さらに大西泰河が加わったことで、投手陣は厚くなっている。

 ダイワアクト同様に、投手起用がカギを握りそうだ。攻撃陣は、日本代表の主砲・大石司、監督兼任の浦本大嗣、俊足好打の坂田大士などがいて、ベテランと若手のバランスが取れている。今年は、29年ぶりに実業団選手権、19年ぶりに全日本総合選手権を制して波に乗る。決勝トーナメントでも、2014年以来2度目の頂点を十分に狙える。

ホンダは長井(写真)が頼れるエースへと成長を遂げ、大西の加入で投手層が厚くなった
写真◎湯浅芳昭(ソフトボール・マガジン編集部)

リーグ4位:大阪桃次郎(12勝4敗)

 2位争いを演じた3チーム目が大阪桃次郎。第4節では、3勝1敗と勝ち越したものの、その1敗がホンダエンジニアリング戦での大敗。これで得失点差での4位が決定した。今季は、投手陣の柱だった河野拓郎が抜けた穴が心配されたが、トヨタ自動車で活躍した木原道哲が加入。エースの岡崎建斗との両輪を形成した。

 初日の1回戦を勝ち上がればダブルヘッダーになるだけに、1枚だけなのと、2枚いるのとでは安心感が違う。攻撃陣は、不惑を越えてなお、打率5割超えの超人ドニー・ヘイルが引っ張る。ヘイル以外にもベテラン勢が健在で、経験の豊富さを一発勝負で生かしたいところだ。

大阪桃次郎は、岡崎(写真)と新しく加入した左腕の木原が両輪を形成

写真◎湯浅芳昭(ソフトボール・マガジン編集部)

リーグ5位:デンソー(10勝6敗)

 2位争い同様に、最後の5枠目争いも接戦だった。デンソーは第4節で勝ち越して、安全圏まで浮上したいところだったが、ダイワアクト、大阪桃次郎に接戦の末敗れて2勝2敗。ただ勝利数で並んだ日本エコシステムとの、直接対決では勝っていたため、5位に滑り込んだ。

 決勝トーナメントの開催地である愛知からの1枠を死守した功績は大きい。この位置から勝ち上がれるかどうかは、日本代表でもある山脇佑也の出来次第だ。シーズンの投球回数はリーグ最多の87回2/3、防御率は1.60で5位。持ち前の多彩な変化球がはまれば、上位陣とも十分に渡り合える。あとは攻撃陣がどこまで山脇を援護できるかにかかる。

リーグ最多の投球回を投げたデンソーの山脇。決勝トーナメントでも活躍が期待される
写真◎湯浅芳昭(ソフトボール・マガジン編集部)

 決勝トーナメントは、一昨年までは8チーム、昨年は6チームが出場。今年は5チームとなり、まさに日本リーグの精鋭がそろう大会になってきた。1回戦から実力が拮抗した熱戦が繰り広げられること必至だ。

 なお、大会期間中は、入場者大抽選会 、日本男子リーグ限定グッズプレゼント、大会パンフレット購入者対象サインボール抽選会、準決勝・決勝での選手サインボール投げ入れなど、イベントが多数開催される予定です。さらにはフードキッチンカー、ショップブースの出店もあるとのこと。お近くの方は、ぜひ観戦に行かれてみては? 男子ソフトボールのスピードとパワーを肌で感じてください!

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