12月9日、早稲田大学安部球場・軟式野球場にて早稲田大学Hello! WASEDAプロジェクト、早稲田大学野球部OB稲門クラブ主催の、子どもに向けた野球振興・普及イベントが行われた。
写真上/子どもたちにキャッチボールを披露する小島和哉選手
写真◎ベースボール・クリニック
野球競技者人口の減少は野球界の喫緊の課題とされており、昨今は小学生を対象とした野球教室なども各地で開催されている。しかし、そうしたイベントに参加するのはすでにチームに所属しており、野球を経験している子どもが大半というのが実態だ。
野球競技者人口の拡大を目指すには、未経験者へのアプローチが重要となる。
現在、小学生年代の子どもが野球を経験するには、チームに所属することが基本となっている。しかし、野球をやりたいが、チームに入るのはハードルが高いと感じている子ども、保護者は少なくない。
「後から入るのは気後れしてしまう」「休むことが許されない」「指導者の罵声が怖い」「送迎、手伝いなど保護者の負担が大きい」といったことがその理由だ。
こうして、多くの子どもにとって野球を始める機会が失われている。
この課題に対応するべく、今イベントでは野球チームに所属していない小学3~6年生の男女を対象とし、未経験の子どもも簡単にルールが分かり、打ったり、捕ったりという野球の楽しさを感じられる「ならびっこベースボール」「BB5(ベースボール5)」「かんたんベースボール」という野球あそびが行われた。
また、良いプレーには「グリーンカード」を提示し、ノビノビと楽しくプレーできるような環境がつくられた。
このような緩やかな野球とのかかわりから、競技に対しての親しみを持ち、中学生になってから野球を始めるという選択肢をつくるのが本イベントの狙いと言える。
「ならびっこベースボール」(誰でもすぐに楽しめる)
打者はトスまたはティーバッティング台に置いたゴムボールを打ち、本塁-一塁間を往復したら1点。守備チームは、ボールを捕った子どもの周りを囲んで座り、全員で「アウト!」と言ったらアウトにできる。

「ならびっこベースボール」はルールが簡単なので、小学低学年や幼稚園生でも参加できる
「BB5(ベースボール5)」(アウトになる仕組みを理解できる)
基本的には5人1組となり、内野のみで行う。打者は手打ちでゴムボールを打つ。守備チームは、走者が目指す塁を触球・打球がバウンドする前に捕球・手にボールを保持した状態で走者タッチすることでアウトにできる。

「BB5」は基本的に1辺13mの正方形の敷地があればどこでもプレーが可能
「かんたんベースボール」(監督不在、子どもたちのみで運営)
攻撃は1ストライクからで、四球、盗塁、バントはなし。投手はパスボールなし、投球回数は2回まで。監督不在で、打順や守備位置の変更なども選手が決める。審判も球審のみで、基本はセルフジャッジ。

「かんたんベースボール」はバントなど自己犠牲的な作戦などはなく、個人を重視する
今回のイベントには163人が参加。「過去に野球チームに所属したことがある」「チームに所属したことはないが野球の基本動作は理解できる」層と、「ほとんど、あるいはまったく経験がない」層はほぼ半数ずつの割合だった。
前者は「かんたんベースボール」、後者は「ならびっこベースボール」「BB5」の野球あそびを行った。
最初はぎこちなかった子どもたちも、見守る大人たちの声掛けなどもあり、時間が経つにつれて大きな声を上げながら夢中になってプレーする姿が見られた。
中でもバッティングに夢中になる子どもが多く、「もっと打ちたい!」という声も聞かれた。厳密なルールや正しい動作を覚えるより先に、楽しさを感じられることが積極性を引き出していくことが感じられた。
また、野球あそび前には、早稲田大野球部OBである斎藤佑樹(日本ハム)、重信慎之介(巨人)、東條航、丸子達也(ともにJR東日本)、小島和哉(18年ドラフトロッテ3位)の5名の現役選手がデモンストレーションを行った。選手は野球あそびにも参加し、子どもたちと触れ合った。

左から斎藤佑樹(日本ハム)、東條航(JR東日本)、重信慎之介(巨人)、丸子達也(JR東日本)、小島和哉(18年ドラフトロッテ3位)
早稲田大野球部OBらによるこのようなイベントは2018年には8回開催され、19年も継続して行っていく予定だという。
文◎ベースボール・クリニック

デモンストレーションではJR東日本・丸子達也選手のバッティングが最も盛り上がった

プロ野球選手と触れ合うことも野球を好きになるきっかけの一つだ(写真は重信慎之介選手)

ポジティブな声掛けで子どもたちをリラックスさせていたJR東日本・東條航選手
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