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2018-10-23

[ドラフト候補の練習法] 松本航&東妻勇輔を育てた日体大の変化球習得術

直球と変わらないフォームの確立法

 最速155キロを誇る日体大の2人の右腕が注目を集めている。明石商高から進んだ松本航は2年春に6勝を挙げて最高殊勲選手と最優秀投手に輝くと、侍ジャパン日本代表でもプレー。首都大学リーグ通算30勝を挙げている。智弁和歌山高出身の東妻勇輔は3年春に3勝を挙げて頭角を現し、最優秀投手となった。日体大の両輪だ。

写真/ベースボール・クリニック

 2人を指導するのが辻孟彦コーチ。日体大から2012年ドラフト4位で中日入り。3年のプロ生活を終えると松本、東妻が入学したのと同じ15年から指導に当たっている。

 プロの現場を知る辻コーチが変化球指導で重視するのが「30メートルの距離でのキャッチボール」だ。

「変化球で肝要なのは打者に直球だと思わせること。そのためには腕を直球と同じように振ることが大事になります。ブルペンの18.44メートルでは腕を強く振らなくても球が捕手まで届きますが、30メートルまで離れるとそうはいきません。指導者があれこれ言わなくとも、投手は自然と腕を振るようになる距離です」

 この距離でのキャッチボールでは変化の大きさではなく、球の強さを意識し、それを体得する。その感覚でブルペンに入るとマウンドの傾斜により、自然と球は低めに集まるようになる流れが理想的。

 松本はツーシーム、スプリット、スライダー、カットボール、カーブの5球種、東妻は球種の異なる2種のスライダーとチェンジアップ、スプリット、カーブの同じく5球種の質をこうして高めていった。

松本航/まつもと・わたる
1996年11月28日生まれ。兵庫・明石商高出身。176cm83kg。右投右打。

東妻勇輔/あづま・ゆうすけ
1996年4月4日生まれ。和歌山・智弁和歌山高出身。170cm76kg。右投右打。

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