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2020-11-08

【相撲】相撲編集部が選ぶ11月場所初日の一番

若隆景一気の攻めに追い詰められたが土俵際の突き落としで新大関白星を飾った正代

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正代(突き落とし)若隆景

 9月場所で優勝した正代が場所後に大関昇進。新大関正代が11月場所の目玉となった。

 通常ならば福岡での開催だが、コロナ禍にあって3場所連続の国技館開催。今場所から入場者を2500人から5000人を上限とし、館内は熱気に包まれた。

 注目の正代は自己最高位の西筆頭に上がった若隆景と対戦。小兵ながらも、先場所は終盤まで優勝争いに絡み、スピードと技能があるだけに侮れない相手だ。

 正代は新大関初日の緊張感もあるのか、時間いっぱいになってもなかなか手を下ろせない。ようやく手をついて立ち上がると、踏み込みよく前に出たが、若隆景に右からおっつけられて右を差され、左も差されてモロ差しを許す。若隆景が一気に前に出たが、正代は土俵際で回り込みながら右突き落とし。尻もちをついた正代だが、木村玉治郎の軍配は正代に上がった。

 すぐに同体ではないかと物言いがつき、協議の結果、正代が倒れる前に若隆景の両足の甲が返っており、軍配どおり正代の勝利となった。

 相撲に負けて勝負に勝った正代は、「硬いですね。新大関の初日ということもあって体が動かなかった。いつもと同じ気持ちだと思っていたけど、土俵に上がったら体が動かなかった」と振り返る。

「協議中はどっちかなと思っていたけど、あんな相撲でも勝つことができてよかった。体が動くようになったら、内容もよくなるんじゃないかな」とホッと胸をなでおろした。

 新大関を追い詰めた若隆景は、「緊張もなく自分の相撲が取れた。最後だけですね」と、最後は正代の懐の深さと柔らかさに屈したが、自信になった様子。上位陣にとっては怖い存在となりそうだ。

 今場所は白鵬、鶴竜の両横綱が初日から休場となったが、朝乃山、貴景勝も快勝し、3大関全員が白星スタート。大関の優勝は平成29年1月場所の稀勢の里から出ておらず、大関から優勝者を出して、来年早々には日本人横綱の誕生を期待したいものだ。

文=山口亜土


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