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2020-11-10

【相撲】相撲編集部が選ぶ11月場所3日目の一番

捨て身の左突き落としで霧馬山を降し、3連勝とした貴景勝

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貴景勝(突き落とし)霧馬山

 3日目から大関朝乃山が休場。初日の相撲で右肩を痛めたそうで、初めての休場となった。今場所は12月に停年を迎える師匠の高砂親方(元大関朝潮)最後の場所だっただけに、無念であったろう。

 朝乃山の休場で残された貴景勝、正代の2大関に重圧がかかることになるが、3日目は貴景勝の相撲を取り上げたい。相手は東筆頭の最高位に上がってきた霧馬山で、初顔の7月場所では廻しを取られて敗れているだけに侮れない。

 時間いっぱいとなり、先に手をついて待つ霧馬山。貴景勝がちょんと手をついて立ち上がると、霧馬山は左に変わり気味に立って左上手をつかむ。上手投げで振り回して右を差すと下手も取って両廻しガッチリ。胸を合わせて土俵際まで寄り立てたが、貴景勝も捨て身の左突き落とし。一瞬早く、霧馬山が落ちて、貴景勝が白星をつかんだ。

 3連勝とした貴景勝は、「どんな形になっても焦らず、自分がやってきたことを信じてやりました。相撲はよくないんですけど、全部が思いどおりにいくわけではないので」と語る。

 絶体絶命の体勢になってもしのげたのは、しっかり稽古して、下半身を鍛えてきたからだろう。大関の底力を見せてくれたが、「それは見ている人の判断に任せます」と貴景勝。

 敗れた霧馬山は、「もうちょっと落ち着いて、腰を下ろしていけばよかった」と悔やむ。差し手の方から寄っていれば、突き落としは食っていなかったかもしれない。

 朝乃山の休場について聞かれた貴景勝は、「みんな、自分が頑張ることだけを考えていると思うので、誰が休場しても特に意識はしない」と言い切る。「一日一日の積み重ねが優勝につながると思うので、今は明日の相撲に集中するだけ」と気を引き締めていた。

文=山口亜土


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