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2020-11-19

【相撲】相撲編集部が選ぶ11月場所12日目の一番

辛抱した志摩ノ海が下手出し投げで竜電を倒し1敗をキープした

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志摩ノ海(下手出し投げ)竜電

 12日目となり、優勝争いもだいぶ絞られてきた。貴景勝と1敗でトップに並ぶ志摩ノ海は、2敗の竜電と対戦が組まれた。

 低く当たった両者。志摩ノ海は両ワキを締めておっつけ気味に圧力をかけるが、低い体勢の竜電は下がらず、左で廻しを探る。竜電は左をねじ込み下手をつかむが、すぐに志摩ノ海に切られ、なおも左を差し込もうとするも、おっつけられて果たせない。竜電の注意が左にばかりいくところ、志摩ノ海は左で廻しを取っての下手出し投げで転がした。

 志摩ノ海は1敗を守り、トップをキープ。竜電は3敗となり、まだ優勝の可能性は残るも厳しいか。

「向こうが左を差しにきたり、左前ミツを取ろうとしてきたので、根負けしないように頑張りました。下手出し投げは流れなのかなと思います。何も考えないで、自分の相撲を取り切ることだけを意識していました。あとは体が反応してくれました」と志摩ノ海は振り返った。下手出し投げの決まり手は初めてだったが、上手出し投げは何番も決めている。押し相撲のイメージだが、出し投げも得意なのだ。

 今年の1月場所では兄弟子の德勝龍が幕尻優勝を果たし、パレードでは志摩ノ海が旗手を務めた。「優勝パレードの車に乗るのは夢だったので、乗せてもらってありがたかった。いつか自分が隣の位置にと思ったりもしたけど……。チャンス? 何も考えてないです」と無欲を装う。

 13日目はついに1敗同士の貴景勝と結びで対戦するが、「明日の相手は知らないです。聞かない方がいいです」と志摩ノ海。「対戦相手はいつ知るんですか?」と聞かれると、「部屋に帰ったときに師匠(元幕内肥後ノ海の木瀬)から聞いて、アドバイスをもらったりしています。ずっとそうです」と語る。

 師匠はどんなアドバイスをくれるのか。とにかく立ち合いで当たり負けず、半歩でも攻め込めばチャンスはあるだろう。押し込まれても頭を上げず、我慢して攻め返せば、左から突き落としてくるので、そこを衝いていけるか。明日の結びが優勝を占う大一番だ。

文=山口亜土

相撲 11月号 11月場所展望号(No.915) | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社

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