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2020-11-20

【連載 名力士ライバル列伝】横綱輪島編 輪島キラー、関脇高見山大五郎

昭和53年夏場所6日目、立ち合いから高見山が突っ張ると、輪島はいやがって顔をそむけた。すかさず高見山が左を差し一気に寄り倒し、輪島から7個目の金星を獲得した

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横綱在位47場所、幕内優勝14回――。2年連続学生横綱の実績を引っ提げて角界入り。「蔵前の星」と将来を嘱望され、期待どおり、“黄金の左”と呼ばれた左からの下手投げを武器に、学生相撲出身初の横綱へと駆け上がった輪島。ともに時代を築いた横綱北の湖らライバルたちと繰り広げた激闘の数々は、黄金の締め込みの輝きとともに人々のまぶたに強烈に焼き付いていることだろう。
※平成28~30年発行『名力士風雲録』連載「ライバル列伝」を一部編集。毎週金曜日に公開します。

“プッシュプッシュ”
天才を泣かせた突進力

 必殺の左下手投げもさることながら、輪島は引きつけと強いおっつけ、腰を使った寄りで、相手を締めつけ自由を奪いながら寄るのを得意とした。その威力で、旭國や鷲羽山など、小兵の力士を巧みに扱ったが、一方で、大きな体で立ち合いからぶちかましてくる力士、富士櫻、黒姫山、麒麟児などを大の苦手とした。特に「顔を見るのもイヤな相手」だったのが、ジェシーこと高見山だった。

 ハワイから来日し、初の外国人力士として昭和59(1984)年夏場所に39歳11カ月で引退するまで、人気力士として大活躍した。すさまじい突き押しの威力は、入門時から高砂親方(元横綱朝潮)に、「プッシュプッシュ」とたたき込まれたたまもの。20年の現役生活で11人の横綱と対戦し、金星12個、うち7個は輪島から奪い取ったものだった。

 初顔合わせは昭和46年春場所。高見山の激しい突き押しに圧倒され、以降輪島の3連敗。当時、二人の実力には開きがあったが、その後は輪島が逆転。だが49年春場所、高見山に初の金星を奪われたのを境に、同年九州から51年初場所まで屈辱の5連敗(不戦敗を含むと6連敗)を喫す。「輪島関とやると気合いが入る。北の湖さんと違いスピードがないから」。どちらが横綱かわからないほど高見山にカモにされた。53年夏場所には、前代未聞の同一相手7個目の金星を配給。数々の記録を残した名横綱・輪島の唯一の泣きどころ、それが高見山の猛然たる「プッシュ」だったのだ。

『名力士風雲録』第8号輪島掲載




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