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2020-11-21

【アメフト】LB成瀬、値千金のリカバー オービックがパナソニックに辛勝 4年ぶりJXBへ

【オービック vs パナソニック】第4クオーター残り17秒、オービックLB成瀬圭汰が値千金のファンブルリカバー=2020年11月21日、撮影:小座野容斉

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アメリカンフットボールのXリーグ「X1スーパー」は第3節に入り、11月21日、富士通スタジアム川崎でオービックシーガルズとパナソニックインパルスが対戦、オービックが1点差でパナソニックに辛勝して2勝目、Bブロック1位となって、ジャパンXボウル(JXB=12月15日、東京ドーム)に進出した。パナソニックインパルスは1勝1敗で今季を終えた。

オービックシーガルズ○35-34●パナソニックインパルス
(2020年11月21日、富士通スタジアム川崎)


 オービックが、紙一重の差でパナソニックを破り、2016年以来4年ぶりとなるJXB進出を決めた。

 前半は、オービックのペース。QBジミー・ロックレイからWR西村有斗らにパスが決まり、RB李卓のランも好調で、第1クオーターだけで3タッチダウン(TD)を挙げるなど、28-17とオービックが11点のリードで折り返した。
【オービック vs パナソニック】第2クオーター8分、オービックWR西村がQBロックレイのパスをキャッチし独走のTD=2020年11月21日、撮影:小座野容斉
【オービック vs パナソニック】第2クオーター8分、オービックWR西村がQBロックレイのパスをキャッチし独走のTD=2020年11月21日、撮影:小座野容斉

 しかし、後半に入ると、パナソニックQBアンソニー・ローレンスのパスが次々に決まり始め、第3クオーター3分にWR成田光希、10分にWR木戸崇斗と2本のTDパスで逆転した。第4クオーター5分にも、K佐伯眞太郎のフィールドゴール(FG)で3点を追加し、6点をリードした。

 後半に入ってからは3&アウト3回に、パスインターセプト1回と、オフェンスがまったく進まなかったオービックだが、第4クオーター6分からのオフェンスでは、RB李卓のランでリズムを作ると、QBロックレイが36ヤードのTDパスをWR前田眞郷に決めて、1点をリードした。

 残り4分で1点差を追いかけるパナソニックは、QBローレンスのパスとランで着実に前進。FGで逆転だったが、ゴール前1ヤードの地点でローレンスがファンブル。このボールをオービックLB成瀬圭汰がリカバーしてターンオーバー。オービックがかろうじて逃げ切った。

【オービック vs パナソニック】第1クオーター、オービックRB李卓が、パナソニックDBコックスのタックルを受けながら突進=2020年11月21日、撮影:小座野容斉
【オービック vs パナソニック】第1クオーター、オービックRB李卓が、パナソニックDBコックスのタックルを受けながら突進=2020年11月21日、撮影:小座野容斉

 大橋HC「ちょっと忘れられないゲームになりました」


 試合終了後、オービックの大橋誠HCは「僕もフットボールライフは長いですけれども、まあまあ、ちょっと忘れられないゲームになりました」としみじみ述懐した。

 状況は圧倒的にオービックの不利だった。パナソニックは、前半とは別のチームのようなオフェンスで、後半だけで193ヤードを進み、2TD1FG。QBローレンスは後半のパス成功率は7割を優に超えて、オービックの誇る強力ディフェンス陣のパスラッシュも届かない状況だった。

【オービック vs パナソニック】パスを狙うパナソニックQBローレンス。オービックDL平澤のラッシュも届かず=2020年11月21日、撮影:小座野容斉
【オービック vs パナソニック】パスを狙うパナソニックQBローレンス。オービックDL平澤のラッシュも届かず=2020年11月21日、撮影:小座野容斉

 第4クオーターに何とか逆転したとはいえ、リードはわずか1点。時間は4分以上も残した。パナソニックは時間を使って前進し、最後にFGを蹴ればよい。事実、パナソニックのオフェンスはじりじりと前進し、ゴール前1ヤードでファーストダウンとなった。

 残り時間は24秒。次のプレー、QBスニークを選択したパナソニックだがローレンスがボールをファンブル。転がったボールにはRBミッチェル・ビクタージャモ―が最初に手をかけたが、拾って走ろうとしたのだろう。押さえにいかなかったために手につかなかった。

 エンドゾーンの中からボールめがけて突進したのは、オービックの伏兵LB成瀬だった。このプレーの直前に、ランディフェンスのために交代で入った100キロの頑健な体がボールを抑え込んでターンオーバー。オービックが九死に一生を拾ったプレーとなった。

 パナソニックはFGで逆転だったので、なぜTDを取りに行ったのかという疑問がないわけではない。ただ、パナソニックはこの試合でFGとポイントアフタータッチダウンの計2回、キックを失敗していた。タイムアウトはオービックが3回持っており、時間を流すこともできなかった。一発で持っていくオフェンスプレーヤーが揃うオービックに、パナソニックは、少しでも時間を残すのを嫌がったのだろう。

【オービック vs パナソニック】第4クオーター残り17秒、ゴール前2ヤードでパナソニックがファンブルしたボールをリカバーするオービックLB成瀬=2020年11月21日、撮影:小座野容斉
【オービック vs パナソニック】第4クオーター残り17秒、ゴール前2ヤードでパナソニックがファンブルしたボールをリカバーするオービックLB成瀬=2020年11月21日、撮影:小座野容斉

 大橋HCは「(ファンブルリカバーの成瀬は)練習でも最後までフィールドに残ってやっている男なので、そういうやつにそういうものが与えられるのかな。小さな彼の努力みたいなものが報われたのかなという気はします」と振り返った。

 4連覇以降は、6シーズンで1回しか出場できなかったJXBの大舞台に、駒を進めた。若い選手が増え、栄光の時代を知る選手は本当に少なくなったオービック。JXB、そしてライスボウルと、これから2試合を勝ち抜いていくことしか考えていない若者たちにとって、この辛勝はとても大きな経験となったのかもしれない。

【オービック vs パナソニック】第2クオーター、オービックQBロックレイがパナソニックのタックルでボールをファンブルロスト=2020年11月21日、撮影:小座野容斉
【オービック vs パナソニック】第2クオーター、オービックQBロックレイがパナソニックのタックルでボールをファンブルロスト=2020年11月21日、撮影:小座野容斉


【オービック vs パナソニック】第1クオーター、パナソニックのFGをブロックするオービックDLビーティ―ジュニア=2020年11月21日、撮影:小座野容斉

【オービック vs パナソニック】第1クオーター、パナソニックのFGをブロックするオービックDLビーティ―ジュニア=2020年11月21日、撮影:小座野容斉


【オービック vs パナソニック】パナソニックRBビクタージャモ―がオービックディフェンスのタックルをかわして前進する。=2020年11月21日、撮影:小座野容斉
【オービック vs パナソニック】パナソニックRBビクタージャモ―がオービックディフェンスのタックルをかわして前進する。=2020年11月21日、撮影:小座野容斉

【オービック vs パナソニック】第1クオーター7分、オービックQBロックレイが7ヤードを走ってTD=2020年11月21日、撮影:小座野容斉
【オービック vs パナソニック】第1クオーター7分、オービックQBロックレイが7ヤードを走ってTD=2020年11月21日、撮影:小座野容斉

【写真・文/小座野容斉】

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