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2018-02-13

[高校野球] 駒大苫小牧の4年ぶりの春! 冴える!甲子園V指揮官の直感采配

投手三看板と堅実な小技&
スキのない走塁が持ち味

 第90回記念選抜高校野球大会に、北海道からは駒大苫小牧が4年ぶりの出場を決めた。昨秋の北海道大会では初戦の白樺学園戦を8対1の8回コールドで勢いに乗ると、立命館慶祥、札幌日大、旭川実を接戦で破り、北海道の頂点に立った。神宮大会でもスター軍団の大阪桐蔭と2対4の接戦を演じている。

 チームを率いるのは佐々木孝介監督。駒大苫小牧が夏の甲子園初優勝を飾った2004年、悲願のウイニングボールを手にした主将も、就任から9年、年齢は31歳を数える。監督として初めて甲子園に出場した14年センバツは1回戦で創成館(長崎)から勝利を挙げたものの、2回戦で履正社(大阪)に9回逆転サヨナラ、6対7で敗れた。

 その失点のきっかけが失策だったように、今春のチームも課題は守備。神宮大会の大阪桐蔭戦も2つの送球エラーが重なった3回に失った3点が響いた。それが改善されれば投手はエースの大西海翔に加え、前チームの夏から登板している鈴木雄也、成長著しい佐藤大善と頭数がそろう。「投手を場面に応じて起用するためにも、野手はどこでも守れることを求める」と佐々木監督は語る。

昨秋のエースナンバーを背負った大西(写真)など、投手陣は豊富

 攻撃面は全道4試合ですべて2ケタ安打、計32得点と強力。昨秋までは一番・大槻龍城、三番・舞原陽和、四番・荻田隼斗が打線の核となったが、佐々木監督は毎試合のように打順を動かして、それを見事に的中させてきた。

 また、「ひらめいたらやろうという感じ。感覚的なもので悩むことはない」とスクイズやヒットエンドランなど、多彩な攻めを見せるのも特徴。北海道大会初戦の白樺学園戦では1回表に本塁打で先制を許した直後の攻撃で、先頭の大槻が死球で出塁すると、二番・石川楓雅が送れず一死一塁。三番・舞原が2ストライクとなると、強引に盗塁を成功させて走者を二塁へ。次の球が暴投になり、三塁に走者を置くと、直後のボールでスリーバントスクイズを成功させた。

佐々木監督(左端)の思い切った采配が駒大苫小牧の勢いを生む

 また、先の大阪桐蔭戦では2点差に迫った5回二死一、三塁、一番・大槻のカウント3-1から一走の大西がスタート。大阪桐蔭の捕手・小泉が二塁に送球するミスを見逃さず、三走の小林海斗が生還した。堅実な小技とスキのない走塁は、全国舞台で大きな武器となるはずだ。

 センバツ出場が決まり、「前回は2回戦で負けた。今回はそれ以上を目指したい」と語った佐々木監督。口にした目標は控えめだが、心の奥には野望を秘めているに違いない。

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