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2020-12-14

【女子ボクシング】山中竜也さんの妹・菫がデビュー「兄に続き世界目指す」

山中霞(右)は兄ゆずりのリズミカルな攻めを展開

13日昼の大阪・エディオンアリーナ大阪第2競技場で、元WBO世界ミニマム級王者、山中竜也さんの妹・菫(すみれ、真正)がプロデビュー。初陣同士となったアトム級4回戦で、福岡から参戦の下野有香(YuKOフィットネス)を圧倒し、大差の判定勝ちを飾った。

兄のトランクスでリングに上がる

身長146cmと小柄なサウスポーがリングを躍動した。最軽量のアトム級のリミット46.2kgより900g軽い45.3kgで前日計量をパスした19歳は、しかしパワフルだった。

リズミカルに頭を振り、バックステップも交えてパンチをかわしながら、左を上下に打ち込んでいく。2回には、左カウンターでぐらつかせ、ロープ際に詰めるなど、一方的な展開に。鼻血も流して苦しい下野を終始、攻めたてた。

試合後、山中は「緊張しました」と初々しい第一声。それでも「2ラウンドにまとめていれば、KOできたと思うので悔しい」と負けん気ものぞかせた。急きょ決まった試合で、トランクスを発注するも間に合わず。竜也さんのトランクスを借りてリングに上がった。

6人兄弟中3人目のプロボクサー

2度目の防衛戦で敗れた直後に硬膜下血腫が判明し、志半ばで引退した兄からはいつも「パンチをもらわないように」とアドバイスを受ける。7月のプロテストの際には、「足が動いていない」と指摘されたそうだが、「練習すれば、するほど、身についてきているのがわかります」と、兄からもらった課題を心がけてきた。

6人兄妹の5番目で、3歳から一緒にグローブを握り、長男の竜也さん、次男の大貴さんに次いでプロボクサーとなったのは3人目になる。目標はもちろん、「兄(竜也さん)と同じ世界チャンピオン。少しでも近づけるように、これからも練習を頑張っていきたい」。憧れの兄が見守る前で、その第一歩を力強く踏み出した。

ボクシング・マガジン 1月号

文◎船橋真二郎/写真◎宮原和也

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