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2020-12-15

【ボクシング】寺地拳四朗は3ヵ月のライセンス停止。会見で「真摯に受け止め、信頼を回復したい」

会見する寺地

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 今年7月、酩酊状態となって他人の自家用車を傷つける問題を起こし、12月19日に大阪で予定されていた8度目の防衛戦(対久田哲也=ハラダ)を中止。謹慎中となっていたWBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(28歳=BMB)に対し、日本ボクシングコミッション(JBC)倫理委員会は15日、「12月1日より3ヵ月のライセンス停止、制裁金300万円、ならびに6ヵ月の間に通算48時間以上200時間以内の社会奉仕活動を義務づける」処分を発表。これを受けて、寺地はJBCで会見を行った。以下が代表取材者との質疑応答。



「この度はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。そして、たくさんの方にご迷惑をお掛けし、大変申し訳なく思っています」

──処分を受けて率直な気持ちは?
「今はJBCの処分を本当に真摯に受け止めたいと思っています。これからは自分自身を見つめ直して、ひとつずつ信頼を取り戻したい。そして品格のある人になりたいと思いました。お酒は自分の体に合わないと思ったのでやめました」

──週刊誌の報道は事実なのか?
「今回の件に関しては示談も終えているので、すべてを話せるわけではないけど、事実の部分とそうでない部分はあります。7月下旬に同級生と久しぶりに会って、そこで羽目を外して飲み過ぎて酩酊状態になって、その日は帰宅して、それから4ヵ月後に警察に呼ばれ『あるマンションの敷地内、エントランスホールに入ったということ、そのマンションの駐車場にある自家用車の片側を棒状のようなもので傷つけたか?』ということを訊かれました」

──それに関して自身の対応は?
「その時は本当に酩酊状態で……。マンションに入ったことは事実なので、先方に連絡して誠意を持って対応させてもらいました」

──車を傷つけたことは覚えてない?
「覚えてはないです」

──酒を飲んで記憶をなくしたのは以前もあったのか?
「ないです。その日だけです」

──新型コロナウイルス感染拡大で試合ができなかったり、いろいろと制約があったりしたことも影響していたのか?
「それはみなさん一緒なので言い訳にはならない。そんな状況の時に飲みに行ったこと、酩酊状態になったことを反省しています」

──今回の件で計画されていた世界戦が白紙になり、目標としていた防衛回数の更新にも影響するが。
「準備してくれた関係者の方々には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。防衛記録に関しては自分の責任なので考えていないです」

──対戦する予定だった久田選手に対しての思いは?
「準備をしていただいていたので、本当に申し訳なく思っています」

──あらためて対戦する希望は?
「今は僕の口からは言えることではないです」

──ファンに対しての思いは?
「応援してくれた皆様を裏切ってしまった形になったんですけど、その信頼を取り戻せるようにこれから努力していきたい」


──社会貢献活動は何を?
「今日聞いたので、何をしようとまではまだ……。これから考えていきたいと思っています」
 
──アスリートとしてはこの3ヵ月間、どうする?
「自粛はもちろんですが、本当にこの社会貢献というのを僕に今できることは何かをしっかり考えてそういうことに貢献して少しでも力になれればと思っています」
 
──ライセンス停止3ヵ月、制裁金300万。この処分についてどう思うか?
「これが重いか軽いかは、僕からは何とも言えない。与えられた処分を真摯に受け取るしかないな、と思っています」
 
──世界王者として思うことは?
「世界チャンピオンでもこんなことがあるのはよくない。本当に恥ずかしい限りです」
 
──自分の進退とか、今後については考えたか。
「報道が出たときはすごくいろんなことを考えました。今後、どうしていけばいいか、みたいな。すごく考えました」
 
──それは、(ボクシングを)辞めることも含めて?
「そういうことも考えました。ただ、自分が信頼を取り戻すというか、僕にできることはボクシングしかないな、とあらためて思ったし、ここで辞めたら、何も返せなくなるなと考えました」

──一連の反響は心に堪えたか。試合に勝った時よりも騒がれた印象もあるが 。
「そうですね。試合の時より、いろいろ記事も大きかったかなと。結構堪えたというのもあるし、あらためてしっかりしないといけないと思いました」 

──ベルトはどうするか考えは? 持ち続けて防衛していきたいという意向? 
「そうですね。いまのところ剥奪とかは(ない)」 

──練習は? 
「していないです。これからいろいろ考えていきます」 

──トレーニングの自粛というか、いつごろから練習していない? 
「記事が出ると分かった時くらいからです」

──走ったりとかは 
「いまはランニングはやっています。最低限できることはやっておかないと」

──あらためて世界王者の重みを感じていることがあれば。
「週刊誌に載ると思ってなかったし、本当としての自覚が、いま思えば本当に少なかったのかな。と同時に、こういう記事になったということは責任感を感じている。重いものがあると感じています」


謝罪する寺地

※以下は安河内剛・日本ボクシングコミッション本部事務局長との一問一答

「処分内容は文書に書いてあるとおりで、あとは寺地選手本人が説明したとおり。
本当に真摯に受け止めて反省していただいていると思う。ローカルコミッションとしての判断なので、ここで王座どうこうとかそういう話にはならない。WBCにはこの内容を先ほど報告した。ローカルコミッションで無期限停止などの処分だと、しばらく試合ができなくなるので(WBCが)王座剥奪とか暫定王座をつくるなどの圧力になるかもしれないが、今回はある程度の期間が切られている。3ヵ月だし、暫定とか強権発動までにはいかないと思います」

──重めの処分では
「軽い重いはみなさんの判断に委ねるが、現役の世界チャンピオンであることを非常に重く考えた。示談で明らかにならないことも多く、評価の対象が限られて難しい部分はあるが、週刊誌報道で感情の積み重ねがあったりということに引きずられないように気をつけました。示談にもなっており、事件化されてはいないとはいえ、現役の世界チャンピオンの地位は重いと思うので、これぐらいの処分になった。JBCではウェイトオーバーやリング上での処分の規定は厳しく定めているが、こういったリング外で、真相が分からないものは非常に考えづらい。
本人がその処分をしっかり受け止めていると思っている」

ボクシング・マガジン 1月号

写真◎代表撮影

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