日本高野連は9月19日、選抜高校野球大会の運営委員会を開き、来春の第90回記念大会からタイブレーク制を導入することを決めた。延長13回に突入した段階で採用される方向で試合決着まで行う。アウトカウントや走者の設定は継続協議される。
現行は延長15回で引き分けなら翌日以降に再試合が行われている。これは1998年夏の甲子園準々決勝の横浜-PL学園で横浜の松坂大輔(現ソフトバンク)が17回を投げ抜き、1試合で250球を投じたことを契機に、2000年春から採用されている。再試合が規定されたのは1958年夏で、延長18回が最大だった。
来春のセンバツ出場を懸けた地方大会はすでに各都道府県で幕を開けている。春季はタイブレーク制が採用されている地区大会も、秋は現行のとおりだ。その方式で戦って選ばれて出場した全国大会で、異なるルールの下、試合をする矛盾が一つある。
導入の大義名分は「選手の体調を考慮すること」にある。今春は2回戦2試合が再試合となり、翌々日に2試合を戦った。そもそも再試合導入のきっかけは1958年の春季四国大会で徳島商の坂東英二が高知商戦で延長16回、翌日の高松商戦で延長25回をともに完投し、健康管理について問題視されたこととされている。
これらを建前とまでは言わないが、運営側の事情も透けて見えることは事実。多くの球児にとってそれらは詭弁に聞こえるであろうし、大人の事情の何物でもない。プレーする選手たちは決着に納得のいく形を求めるものだろう。
一方で国際的な時代の流れもあり、導入は当然だとも思う。現行の延長15回再試合の負担が大きいのは「再試合」の形で決着をつけるからだ。選手の心情を考慮しつつ、円滑な大会運営を行うための折衷案。まずは延長15回引き分け、16回以降のタイブレーク決着が望ましい。
タイブレーク制導入について皆様の意見をお寄せください。
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