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2017-09-09

[中学硬式野球]高校野球に通用する食べる習慣づくり/尾道リトルシニア

練習前の一杯の牛乳

 今夏のジャイアンツカップに出場した尾道リトルシニアは1992年の創部。チームを指揮する伊藤善治監督は94年からコーチとなり、初代監督の急逝もあり、99年8月から監督を務めている。練習は平日の火曜日と木曜日の2回が基本。夕方までの仕事を終えた足で練習場に駆けつける。「監督になって以来、練習に顔を出さなかったことは一度もありません。それが子どもたちを預かる責任だと思っています」。20年近くにわたり、温かい目で選手を見守っている。

 夏の日の夕方、チームの練習を訪問した。まず目を引いたのは、選手たちの体格の良さ。まだまだ成長期の最中にある中学生のため、身長はまちまちではあるが、一様にガッチリした体型をしている。その秘訣を教えてくれた。

「練習に入る前には必ずコップ一杯の牛乳を飲むようにしています。また、休日の練習には2合分のお米でつくったおにぎりを持参させます。1年生で入ったばかりの子どもの中には一度に食べ切れない者もいますが、そこは時間がかかってもいい。そうするうちに3年生になるころにはそれが普通になります」

練習前の一杯の牛乳が体づくりの資本となる

 特別にハードなトレーニングを行っているわけではない。伊藤監督の目的は「食べることへの意識と習慣付け」。チームで食べるのは週に1、2度。あとは家庭での取り組みになるが、きっかけがなければ食べることの重要性に気づくこともない。

「高校野球を続けるとなれば、さらに食べることは練習するのと同じか、それ以上に大切になります。その土台をつくるのもわれわれの役目だと思っています」

 選手の次のステージを見越した取り組みは「高校野球でさらに活躍してもらいたい」との親心でもある。


尾道リトルシニアの練習風景はベースボール・クリニック10月号別冊付録「中学硬式野球クリニック」をご覧ください。

ベースボール・クリニック10月号は9月17日発売
特別付録共特別定価 1090円

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