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2020-12-28

【ボクシング】元王者・矢田良太が12連敗中の大ベテラン出田裕一に完敗

出田(右)の攻撃に矢田はコーナーを背負う

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元日本ウェルター級チャンピオンで現同級5位の矢田良太(31=グリーンツダ)は27日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第2競技場で出田裕一(36=三迫)と8回戦を行ったが、0-2の判定で敗れる波乱となった。1引分をはさみ12連敗中だった出田は、9年10ヵ月ぶりの勝利をつかんだ。

出田の突進に、初回から力なくロープを背負った矢田。「シャッ!」と一発ごとに気合の声を上げて大きな右を打ち返すも、そのパンチに元気はなく、不調は誰の目にも明らかだった。回を重ねてもこの展開に変化はなく、ひたすら出田がショート連打で押し込み、矢田がロープ、コーナーに詰まる場面が続く。KOチャンスが続きながら詰め切れない出田にも、もどかしさは募ったが、12連敗中の36歳には精一杯の攻撃だったか。

矢田は終盤、右目がほとんどふさがり、最後は立っているのがやっと。判定は78対74、77対75、76対76の2-0だが、スコア以上に一方的な印象だった。「トレーナーと一心同体になってやってきたことを出せた」と、出田は長すぎたトンネルからの脱出に感無量の笑顔を見せた。


古谷(右)の右ストレートが奥本にヒット

グリーンツダジムからはもうひとり、元日本スーパーフライ級チャンピオン奥本貴之(29)が同級10位の古谷昭男(22=六島)と8回戦を行ったが、0-2の判定負けを喫した。王座を失って1年ぶり再起戦の奥本は、初回から古谷の右ストレートを立て続けに浴びて調子づかせてしまう。中盤から手数を増して反撃に移るが焦りは隠せず、カウンターを食らう悪循環に陥り、失点を挽回できなかった。判定は77対75(2人)、76対76。


大久保(右)を攻める前田

昨年度の全日本新人王・前田稔輝(24=グリーンツダ)は、大久保海都(23=寝屋川石田)との6回戦で2回2分18秒KO勝ちした。関西ホープ対決を左ストレート一発で決め、無敗の6連勝(4KO)。2021年は日本タイトルに近づけるよう飛躍を誓った。

ボクシング・マガジン 1月号

文/藤木邦昭 写真/佐藤真一

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