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2021-01-17

【相撲編集部が選ぶ初場所8日目の一番】

全勝の大栄翔を1差で追う正代だったが、御嶽海に寄り切られ2敗目を喫した

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御嶽海(寄り切り)正代

全勝の大栄翔は今場所初めて番付が下の力士と対戦。上位との対戦と比べると足が出ず輝に攻め込まれたが、土俵際、とったりで逆転し薄氷の勝利。1敗で追う2力士のうち明瀬山は明生に敗れて2敗となり、もう1人の1敗、正代が結びの土俵に上がった。

対戦相手の御嶽海はアマチュア時代から何度も対戦しており、プロに入ってからは幕下、十両も含めて11勝11敗の五分。今場所の調子から正代が有利と思われていた。

立ち合い、胸から当たる正代に対し、御嶽海は頭から当たって突き放していった。突き押し合いからモロ差しを果たしたのは御嶽海。すぐに前に出たが、正代は右からの突き落としを見せてしのぐ。さらに小手に振って体が開くが、御嶽海は再び右を差しこんでモロ差し。正代が下から抱えて前に出るが御嶽海は余裕を持って残し、左を巻き替えにきたところを勝負と見て、御嶽海が一気に寄り詰め熱戦を制した。

「よく我慢できたと思います。今場所は全然よくないし、いい相撲が取れてなかったので、きっかけにしていきたい」と御嶽海。

これで3勝目だが、白星はすべて大関戦。「大関に勝っても乗り切れないところが御嶽海らしくないですね。後半戦は星を落とさないように自分の相撲を取っていきたい」と巻き返しを誓った。

一方、2敗目を喫した正代は、「自分の相撲を取らせてもらえず、力を出させてくれなかった。自分が入りたいのにモロ差しになられて、下がる場面が多かった」と振り返った。

これで大栄翔とは2差となり、平幕に優勝をさらわれそうなムードだが、「休場明けを考えればいい方だと思う。肉体的には疲れてないけど、精神的には疲れた。やっぱりカド番というのが一番。早く勝ち越したいです。(大栄翔と)星が離れたことには危機感を持っていません」と語る。

場所前から「目標は勝ち越し」と公言していたほどだから、優勝は考えていなかったのだろうが、横綱不在で3大関の中で一番の好成績なのだから、自分が優勝するという気持ちでいてほしい。

まあ、正代らしいといえばそれまでか。大栄翔も今日の相撲を見る限り、どこかで星を落としそうなので、早く勝ち越しを決めて肩の荷を下ろして、追いかけてもらいたい。

文=山口亜土


 大相撲初場所8日目 幕内取組結果

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