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2021-02-15

【ボクシング】井岡一翔、田中恒成が語る『12・31』の真実

 4階級制覇王者に、4階級制を狙う挑戦者が挑んだ2020年12月31日のWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ。あのときのリングの中、ふたりのボクサーは何を考え、戦っていたのか。あるいは、このふたりにしかわからない、何かがあったのか。ボクシング・マガジン3月号では、勝者の井岡一翔(Ambition)、そして敗れた田中恒成(畑中)にインタビューしている。

 井岡は快活だった。そして、戦いを語る言葉はどこまでも深く、鋭く、あるいは表層の技術論をはるかに跳梁していく。そのときどきに何を考えていて、ペースの在りかを確認し、今、すべきことをつかみだしたのか。一切のよどみなく、連ねるように証言していく。さらに、先輩ボクサーとして、自分を打ち負かすため、もっと強く戦うために、田中に足らないものは何なのか、とある意味、厳しく諭してもいく。単なる勝利者インタビューではなく、現代のボクサーとして、さらに深めていくべきテーマを、井岡自身のボクシング論として展開していく。

 一方、何もできないに等しい形で敗退した田中は、「勝てなかったその理由」を身をもって実感していた。今も自分の才能に疑いを抱いているわけではない。だから、もっと強くなりたい。そのために何を考え、どうすれば、自らの可能性に等しい栄光の地点に導かれるのか。そのための新しい一歩を、率直に語ってくれたのだ。

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