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2021-02-12

【ボクシング】スパーリングでも井上尚弥は強い。比嘉大吾を圧倒─『LEGEND』

井上(左)はガチの戦いで比嘉を圧倒した

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 新旧スターに東京五輪代表ふたりも参戦したボクシングイベント『LEGEND』は11日、東京・代々木第一体育館で開催され、7組のスパーリングマッチが行われた。最大の注目はやはりメインイベントのWBAスーパー。IBF世界バンタム級チャンピオン、井上尚弥(大橋)対元WBC世界フライ級チャンピオンの比嘉大吾(Ambiton)の対決で、井上の圧倒的な強さばかりが目立った。



比嘉の強烈な右ストレートをすんでのスリッピングでかわす井上。その表情にはまだ余裕が見える

スパーリングでもガチで勝ちに行く


 日本国内で井上尚弥の“戦い”が、一般ファンに公開されて行われるのは、一昨年11月のノニト・ドネア(フィリピン)戦以来15ヵ月ぶり。もちろん、“試合仕様”ではなかったにせよ、その強さばかりが光った。強打の比嘉と終始クロスレンジでわたり合い、ロープ際に誘い込んでのカウンター、たくみなディフェンスワークだけでの組み立て、あるいは本番の試合では1度しか披露していないサウスポースタイルなど、『試用品』をさまざま盛り込みながらも、比嘉を圧倒していった。ふたりがヘッドギアを外した3回には、ショートの右アッパーだけで、今は同じバンタム級で戦うライバルをさばいてみせた。クイックネス、高速のリズム、パワーショット、そのいずれも、井上が格段に上回っていることを証明した。

「以前、比嘉選手とスパーリングしたときと差は変わらないと思いました」という井上は、「差を縮めさせることは絶対にできない。もっと引き離さなければならない。互角だったら評価を下るだけ」と「真剣度100%」ガチのスパーリングだったことを強調していた。

引退して4年を越えた内山高志(後方)だが、急ごしらえとは思えない歯切れのいいパンチを見せる

多彩なマッチメイクが光る

 この日は全部で7つのスパーリングが行われた。“セミファイナル”では元WBAスーパー世界スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志(ワタナベ)が、現役の日本同級チャンピオンの坂晃典(仲里)と対戦した。「20日間準備して、現役を辞めてから初めて10日間断酒した」という内山が、右のタイムリーショットに、左のボディフックを決めて、観客を沸かせていた。



岡澤セオン(右)はアマチュア世界トップクラスの技術でプロの新星、佐々木にレッスンをつけた

 東京五輪ウェルター級代表に内定している岡澤セオン(鹿児島県体育協会)は、10戦全勝9KOの19歳、佐々木尽(八王子中屋)を実力どおりに翻弄していった。途中にはロイ・ジョーンズ・ジュニア(1990年代の無敵のライトヘビー級チャンピオン)ばりに、両手を後ろ手に組んで戦ってみせ、センスとテクニックをアピールした。「このルールではだれにも負けません。プロのアマチュアボクサーとして活躍します」との心意気が、心地よく響いた。

アメリカ・デビューを控える京口(左)は八重樫のアタックをいなしきった

 イギリスの大手プロモーション、マッチルームと契約し、3月13日にアメリカ・デビュー(テキサス州ダラス)が決まっているWBAスーパー世界ライトフライ級チャンピオン、京口紘人(ワタナベ)は元3階級制覇チャンピオン、八重樫東(大橋)相手に無難な3ラウンドを戦ってみせ、順調な仕上がりを感じさせた。

 また、オープニングマッチには、K-1世界チャンピオンからプロボクシングに転向した武居由樹(大橋)が、元WBO世界フライ級チャンピオンの木村翔(花形)を、サウスポースタイルからの大胆なアッパー、右フックで攻め立てていた。3月11日に予定されるデビュー戦が楽しみだ。

文◎宮崎正博 写真◎福地和男

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