close

2021-03-17

【女子プロレス】祝・高校卒業!スターダム・AZMのスワンダイブ式ミサイルキックにこめた思い

ハイスピード王者として武道館に臨んだAZM

3月3日、スターダムの10周年記念大会で初進出した日本武道館。団体史上最高規模のビッグマッチに選手たちは気合十分で、新技を披露する者も多かった。ゴッデス・オブ・スターダム王者の舞華は師匠のTAKAみちのくから伝授されたみちのくドライバーⅡを繰り出し、SWA世界王者の朱里は“四神”の最後の一つである白虎を決めた。舞華、朱里ともにこれらの技でフィニッシュを飾り、王座防衛に成功したのだった。

 そのなかでフィニッシュにはならなかったものの、特別な思いで繰り出された技もあった。高校生のハイスピード王者・AZM(3月17日に高校卒業!)がなつぽいとの防衛戦で放ったスワンダイブ式ミサイルキックがそれだ。

 かつてスターダムではこの技の使い手が数人いた。代表的な選手を挙げると現在WWE・NXTで活躍する紫雷イオ、花月や葉月など。しかし、2019年末から2020年初頭にかけて葉月が引退、花月が退団(のちに引退)してからは使い手が不在となった。AZMにとってイオはユニット「クイーンズ・クエスト」でプロレスを教わった師匠とも言うべき存在。花月は何かと目をかけてくれた先輩で、葉月は若手時代に苦楽をともにした盟友。そんな3人の大切な技を、いつか自分も使いたいと思っていた。

「イオさん、花月さん、葉月ちゃん、尊敬する人たちが使ってた技はやっぱり使いたかったです。でも、人に見せられるスワンができなくて。だから『日本武道館までにやろう!』と目標を立てて、武道館がきちゃったからやるしかないと思って出した感じです(笑)。やっぱり大きい舞台で出したかったので」

 ハイスピードのタイトルマッチといえば猛スピードの試合展開が特徴で、その流れを崩さずに同技は放たれた。しかし、AZM自身は技の完成度を「(満足と不満足の)半々ですかね」と語る。

「もうちょっとできたかなとも思います。もっとイオさんたちみたいにキレイなスワンができるようにしたいです」

 これからも同技を使い続けて、尊敬するイオたちのように、あるいはそれ以上の完成度に高めていきたいと考えているAZM。武道館ではなつぽいに敗れてハイスピード王座から陥落してしまったが、当然歩みを止めるつもりはない。3・26後楽園ホール大会では渡辺桃、上谷沙弥とともにアーティスト・オブ・スターダム王座に挑戦が決まった。スワンダイブ式ミサイルキックの完成度の向上ともども、巻き返しを図る彼女にも要注目、なのだ。

<週刊プロレス・成川栄一>

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事